期待の新星、西田蓮人がメインイベンターとして聖地に君臨!

堀田春樹

全12試合中、女子試合が8試合。
西田蓮人の妹、永愛はパワフルな攻防を制する判定勝利。
メインイベンター西田蓮人は倒せない課題残るもNJKFの明夢に大差判定勝利。
吏佐は15歳差の年上、大久保貴宏に僅差ながらテクニックで打ち勝つ。
ジョニー・オリベイラはコウキのロー(カーフ)キックに圧される敗北。

◎TITANS NEOS.39 / 10月18日(日)後楽園ホール17:15~20:28
主催:伊原プロモーション / 認定:新日本キックボクシング協会
協力:ミネルヴァ実行委員会

◆第12試合 51.0kg契約3回戦

日本フライ級チャンピオン.西田蓮斗(伊原越谷/2009.12.6埼玉県出身/ 51.0kg)
9戦9勝(3KO)
VS
明夢(新興ムエタイ/神奈川県出身24歳/ 50.8kg)17戦5勝(1KO)9敗3分
勝者:西田蓮人 / 判定3-0
主審:ノッパデーソン・チューワタナ
副審:北尻30-26. 宮沢30-27. 中山30-27

初回は互角の展開。明夢のパンチと蹴りに対抗する西田蓮人。

第2ラウンドには蹴りからパンチの攻防が増えると、西田の右フックで明夢は西田に組み付くように縺れて倒れたが、ノックダウン扱いとなるがダメージは小さい。
ラストラウンドも明夢はプレッシャー掛けて出ると下がる流れもある西田だが、すぐ反撃し、的確差が優ってラストラウンドも押さえて判定勝利。

西田蓮人のヒザ蹴りがヒット、明夢の勢いを弱めた
西田蓮人のヒザ蹴りがヒット、明夢の勢いを弱めた
明夢のローキックに右ストレートを合わせる西田蓮人。しんどい試合だが踏ん張った両者
明夢のローキックに右ストレートを合わせる西田蓮人。しんどい試合だが踏ん張った両者

西田義和会長は「倒して欲しかったですね。倒せるように仕上げて来たんですけどね。力んで距離がちょっと合わなくて、当てたいから狙い過ぎて、もうちょっと落ち着いて畳み掛けられれば良かったですが、出来なかったのが若さですので、これからもっと大人の身体になってくれば倒せるでしょうね。」

西田蓮人は「最後、自分から合わせに行ってしまい、下がって雑になってしまって、自分で距離を作れるようになりたいです。」と反省の言葉を残しました。

◆第11試合 ライト級3回戦

ジョニー・オリベイラ(トーエル/ブラジル出身48歳/ 61.2kg)68戦16勝(1KO)33敗19分
VS
NJKFスーパーフェザー級8位.コウキ・バーテックス(=市村滉季/VERTEX/1997.9.20栃木県出身/ 60.8kg)12戦6勝5敗1分
勝者:コウキ・バーテックス / 判定3-0
主審:スイット・サエリム・ランボー
副審:北尻27-30. 宮沢27-30. 中山28-30

ローキック(カーフ)の勢い強いコウキ。上下の蹴りにも繋げてジョニー・オリベイラにプレッシャーを掛け、打って出る勢いを弱めていった。ジョニーはラストラウンド終盤になってパンチで圧したが脚が効いてコウキを弱らせるには至らず、コウキが初回から主導権支配した展開で大差判定勝利。

コウキがローキックでジョニー・オリベイラを苦しめた。脛狙いは蹴る方も痛い
コウキがローキックでジョニー・オリベイラを苦しめた。脛狙いは蹴る方も痛い
蹴り度に声を張り上げながら気合を入れて蹴ったコウキ
蹴り度に声を張り上げながら気合を入れて蹴ったコウキ

ジョニー・オリベイラはかなりカーフキックが効いていた様子。しかし、コウキも蹴ったが為に自身も足を痛めていた様子でした。

コウキ陣営の若林会長は「カーフは狙っていました。山浦俊一がジョニーにやったように倒せるという作戦でコウキに指示しました。」と語りました。

◆第10試合 65.0kg契約3回戦

アレハンドロ・ガルシア(スペイン出身17歳/ 64.9kg)10戦10勝(2KO)
VS
剣夜(SHINE沖縄/沖縄県出身37歳/ 64.6kg)27戦9勝(5KO)16敗2分
勝者:アレハンドロ・ガルシア / 判定3-0
主審:ノッパデーソン・チューワタナ
副審:北尻30-28. ランボー30-28. 中山29-28

初回からガルシアのパンチ、ヒザ蹴りの先手打ちに圧される剣夜。第2ラウンドにはややエンジン掛かったような剣夜のパンチ、ローキックも出るが、若いガルシアのアグレッシブな攻勢が優って終了。両者好戦的ながら流れを大きく変えるクリーンヒットが少なかった。

アグレッシブなアレハンドロ・ガルシアと後手に回った剣夜の攻防
アグレッシブなアレハンドロ・ガルシアと後手に回った剣夜の攻防

◆第9試合 女子ミネルヴァ・フライ級3回戦(2分制)

ラケル・ロドリゲス・ゴメス(スペイン/ 49.85kg)7戦5勝2敗
VS
Minervaスーパーフライ級1位.Yuka☆(SHINE沖縄/1984.7.3沖縄県出身/ 50.6kg)
22戦9勝8敗4分1NC
勝者:Yuka / 判定1-2
主審:宮沢誠
副審:北尻29-28. ノッパデーソン28-29. 中山29-30

初回、蹴り合いよりYukaの組み合ってのヒザ蹴りや崩して転ばすムエタイ技がラケル・ロドリゲス・ゴメスの前進を阻む。第2ラウンド以降もゴメスもパンチ蹴りで攻め、Yukaの組み技からヒザ蹴りとの互角の攻防は採点が分かれる見極め難しい流れでYukaがスプリットデジションで勝利した。

Yukaのムエタイ技が優り、ヒザ蹴りでラケル・ロドリゲス・ゴメスを攻め勝利を導く
Yukaのムエタイ技が優り、ヒザ蹴りでラケル・ロドリゲス・ゴメスを攻め勝利を導く

◆第8試合 フライ級3回戦

吏佐(タイ南部ソンクラー県フライ級覇者/2010.10.8群馬県出身/伊原/ 50.75kg)
6戦5勝(1KO)1敗
VS
NJKFフライ級8位.大久保貴宏(京都野口/京都府出身31歳/ 50.7kg)
11戦4勝7敗
勝者:吏佐 / 判定2-0
主審:スイット・サエリム・ランボー
副審:北尻29-29. ノッパデーソン29-28. 宮沢30-29

16歳と31歳の戦い蹴りの攻防は、吏佐は柔軟なスピードある蹴りで31歳に対抗。大久保貴宏は隙を突く上手さで優るが、この辺は人生の経験値。初回は吏佐が優ったが、第2ラウンド以降は差が出ない流れで吏佐が僅差判定勝利した。

吏佐の前蹴りが大久保貴宏にヒット、年齢差は大きいが、それぞれの上手さが発揮された
吏佐の前蹴りが大久保貴宏にヒット、年齢差は大きいが、それぞれの上手さが発揮された

◆第7試合 女子ミネルヴァ・スーパーフライ級3回戦(2分制)

ゼイナ・クランティッチ(ボスニア/51.4kg)10戦7勝3敗
VS
Minerva・Super Fly級3位.紗耶香(BLOOM上板橋/51.85kg)23戦10勝(1KO)12敗1分
勝者:紗耶香 / 判定0-3
主審:中山宏美     
副審:ランボー28-30. ノッパデーソン28-30. 宮沢28-30

初回はゼイナ・クランティッチのパンチに対し、紗耶香はヒザ蹴りやミドルキック中心の攻勢。第2ラウンド以降も紗耶香がヒザ蹴り中心に攻勢を維持。ゼイナはパワーあるパンチを見せるが紗耶香は下がらず主導権支配して判定勝利。

紗耶香が組み付きヒザ蹴り中心に攻勢を維持した
紗耶香が組み付きヒザ蹴り中心に攻勢を維持した

◆第6試合 女子ミネルヴァ・スーパーフライ級3回戦(2分制)

Minervaスーパーフライ級5位.RUI・JANJIRA(JANJIRA/ 52.0kg)15戦4勝9敗2分
VS
同級6位.松藤麻衣(クロスポイント吉祥寺/ 51.75kg)11戦5勝6敗
勝者:松藤麻衣 / 判定1-2
主審:北尻俊介
副審:ランボー29-30. ノッパデーソン29-30. 宮沢30-29

よく手足が出る両者の蹴りパンチ。前蹴りローキックの攻防。流れは松藤麻衣がヒザ蹴りヒットやパンチの打ち合いで圧す流れも、RUIも打たれても打ち返し、蹴りからパンチのヒットが目立った。最後は激しく打ち合って終了。スプリットデジションながら松藤麻衣がラストファイトを判定勝利で飾った。

松藤麻衣もヒザ蹴りで攻め勝つもRUIもアグレッシブに攻めた
松藤麻衣もヒザ蹴りで攻め勝つもRUIもアグレッシブに攻めた

◆第5試合 女子ミネルヴァ・ペーパー級3回戦(2分制)

永愛(=西田永愛/タイ南部2タイトル保持者/伊原/埼玉県出身15歳/ 43.0kg)2戦2勝
VS
Minervaペーパー級4位.港町なぎさ(ワイルドシーサー前橋関根/群馬県出身36歳/ 42.6kg)9戦4勝4敗1分
勝者:永愛 / 判定3-0
主審:中山宏美
副審:ランボー30-28. ノッパデーソン30-29. 宮沢30-29

パンチとローキック、ミドルキックの攻防は永愛がややリズムを掴んだ流れ。更に小さな身体でもパワーと回転力ある左右フックで港町なぎさを下がらせ判定勝利した。

永愛は小さな体でパワフルに攻め勝った
永愛は小さな体でパワフルに攻め勝った

◆第4試合 女子ミネルヴァ・ライトフライ級3回戦(2分制)

Minervaライトフライ級8位.山崎希恵(クロスポイント吉祥寺/東京都出身29歳/ 48.7kg)8戦4勝(1KO)3敗1分
VS
菅原咲希(東北AVANTI/山形県出身29歳/ 48.45kg)2戦2敗
勝者:山崎希恵 / 判定3-0
主審:北尻俊介
副審;ランボー30-27. ノッパデーソン30-27. 中山30-28

パンチと蹴りの攻防から、山崎希恵の前蹴りがインパクトあるヒットを見せる。更にペースを上げて行く山崎が完全に主導権支配し、フルマークの大差判定勝利。菅原咲希もパンチで出るが、山崎の蹴り中心の攻めに圧されてしまった。

◆第3試合 女子ミネルヴァ・ペーパー級3回戦(2分制)

石岡真理絵(FIGHT TRIBE/青森県出身47歳/ 41.2kg)9戦9敗
VS
沙緒里(ワイルドシーサー前橋関根/群馬県出身24歳/ 42.4kg)4戦1勝(1KO)2敗1分
勝者:沙緒里 / TKO 2ラウンド 1分32秒
主審:北尻俊介

第2ラウンドに沙緒里が右のパンチで石岡真理恵からノックダウンを奪い、更に飛びヒザ蹴りでノックダウンを奪うとノーカウントのレフェリーストップで沙緒織がTKO勝利した。

◆第2試合 アマチュア女子 53.0kg契約2回戦(2分制)

三橋暖愛(士道館ひばりヶ丘/埼玉県出身14歳/ 51.75kg)
        VS
遠藤舞(Y’ZD/埼玉県出身25歳/ 52.95kg)
勝者:遠藤舞 / 判定0-3 (18-20. 19-20. 18-20)

◆第1試合 アマチュア女子 52.0kg契約2回戦(2分制)

ルシア・エステベ・ミンガリョン(スペイン出身17歳/ 51.4kg)
VS
みゃんちゅう(ツルザップ/福岡県出身/ 51.45kg)
引分け 1-0 (19-19. 19-19. 20-19)

(当初第4試合予定) 女子ミネルヴァ 52.0kg契約3回戦(2分制) 
MIO La Reyna(TEAM REY DE REYES)vsさかこ(ハイボルテージ/宝塾蒲田支部/ 50.65kg)MIOの欠場により中止。
試合順はこのカードを省いて、順次繰り上げています。

《取材戦記》

会場にはキックボクシング創設60周年を記念し、創生期から携わって来た伊原信一氏にスポンサーや興行関係者からのお祝いスタンド花がリング北側に20件飾られていました。その60周年セレモニーが行われる予定と聞いていましたが、なぜか行われませんでした。伊原信一代表によると、野口修さんがキックボクシングを創設された1966年に、沢村忠さんから始まったこの競技が紆余曲折を経て世界に広がったこの60年を振り返り、先陣を敬う想いがあった様子でした。

新日本キックボクシング協会が期待する若きエース格はやがて17歳となる西田蓮人と16歳になったばかりの吏佐。二人は伊原越谷ジム所属です。

西田蓮人は今回9戦目でメインイベンターを務めました。過去の多くのメインイベンターが存在した新日本キックボクシング協会において、西田蓮人は新妻聡、小野寺力、武田幸三、江幡ツインズの存在感を超えなければならない。後楽園ホールで大抜擢される背景には、新日本キックボクシング協会のここ数年の選手層の薄い状況から、ようやくの右肩上がりへの期待が高まっている象徴でしょう。身体がまだ成長期にある西田蓮人と吏佐。大人との対戦は苦戦しながら成長するでしょう。西田蓮人は12月にタイ・ラジャダムナンスタジアムで試合出場の予定です。

昭和のテレビ隆盛期の沢村忠氏がまだ現役の時期に、当時最短の9戦目でメインイベンターを務めたのがウェルター級でパンチ得意の乗富悦司(目黒)でした。当時は有望株でしたが、稲毛忠治に敗れ、その後もチャンピオンには届かず、惜しくも僅か22歳、全23戦で生涯を閉じました。この60年には、こんな選手も居たものです。

他にも最短戦歴でメインイベンターを務めた選手は居るかと思いますが、再び選手層の厚い時代、多くのスター誕生へ、新日本キックボクシング協会の変化も見届けたいものです。

新日本キックボクシング協会の2027年興行は、3月7日(日)、5月4日(火・祝)、7月19日(月・祝)、10月17日(日)の4回が後楽園ホールで開催予定されています。

▼堀田春樹(ほった・はるき)[撮影・文]
昭和のキックボクシングから業界に潜入。フリーランス・カメラマンとして『スポーツライフ』、『ナイタイ』、『実話ナックルズ』などにキックレポートを寄稿展開。タイではムエタイジム生活も経験し、その縁からタイ仏門にも一時出家。最近のモットーは「悔いの無い完全燃焼の終活」