-NJKF 2026.3rdは横浜市で開催、やっぱりエース格はこの人、大田拓真登場!

堀田春樹

大田拓真は豪快にノックアウト(TKO)して復帰戦を飾る。
ウーバーミユは世界のベルト奪取。僅差判定を制す。
鈴木咲耶は響子JSKを下してミネルヴァ王座初防衛。

◎NJKF 2026.3rd / 10月24日(土)横浜市保土ヶ谷公会堂11:15~14:57
主催:新興ムエタイジム / 認定:NJKF、WMA、ミネルヴァ実行委員会

◆第7試合 58.0kg契約3回戦

大田拓真(前・WBCムエタイ世界フェザー級Champ/新興ムエタイ/1999.6.21神奈川県出身/ 57.85kg)46戦34勝(11KO)10敗2分
         vs
サムランチャイ・エスジム(元・ラジャダムナン系スーパーフライ級4位/タイ/ 1995.6.7タイ国出身/ 57.8kg)151戦105勝41敗5分
勝者:大田拓真 / TKO 2ラウンド 2分9秒
主審:テーチャカリン・チューワタナ

昨年6月8日にアントニオ・オルデンを倒してWBCムエタイ世界フェザー級王座奪取し、今年2月にスペインでオルデンに判定負けで王座陥落。6月5日にONE Champion Ship(Lumpinee FridayFight)での判定負けと2連敗中の大田拓真が復帰戦を豪快に勝利しました。

初回に蹴りの様子見から左ハイキックで豪快にノックダウンを奪い、レフェリーが止めるかと思われた中、意識は有り、立ち上がる力はあったサムランチャイは続行。

大田拓真が左ハイキックでノックダウンを奪った第1ラウンドの圧倒
大田拓真が左ハイキックでノックダウンを奪った第1ラウンドの圧倒

第2ラウンドにはサムランチャイは息を吹き返したかのような動きの良さを見せたが、余裕ある展開を見せたのは大田拓真の方。サムランチャイの踏み込んだ足を蹴ってバランスを崩させるなど、昔タイテクニシャンが日本人選手にやっていたような格の違いを見せるような動きを大田拓真が見せていた。

最後は左ボディブローから左フックをアゴに決め、サムランチャイを倒し切った。サムランチャイはアゴヒットより、ボディーブローで苦しがっていた。

大田拓真は試合後マイクで、「今年、世界挑戦(防衛戦/ONE)で良い結果が全然出せなかったんですけど、今日自分の進化を見せることが出来たと思います。来年もしっかり結果出せるよう頑張って行きますので、大田拓真を応援宜しくお願いします。」と語った。

第2ラウンドも続いていく大田拓真の攻勢。この後ボディーブローに繋がる
第2ラウンドも続いていく大田拓真の攻勢。この後ボディーブローに繋がる

◆第6試合 WMA世界ペーパー級(95LBS)王座決定戦 5回戦(2分制)

Minervaペーパー級チャンピオン.Uver∞miyU(=高橋美結/T-KIX/1999.12.7静岡県出身/ 42.95kg)26戦11勝(1KO)12敗3分
         vs
WMA世界ペーパー級1位.ポーンテッップ・カムトーンパノーウ(タイ出身23歳/ 42.5kg)
推定46戦30勝16敗
勝者:Uver∞miyU / 判定2-1
主審:ノッパデーソン・チューワタナ
副審:テーチャカリン49-48. ランボー48-50. 児嶋49-47.

女子ミネルヴァ王座を2度防衛しているウーバーミユがWMA世界王座に挑戦。

開始後は距離ある中の両者のローキック中心の様子見からウーバーミユが距離を詰め、パンチの勢い増して行くが、ポーンティップはミドルキックが強く繰り出す数も多い。首相撲に移るとウーバーミユがヒザ蹴りでやや勢い上回る。

ウーバーミユのボディブローヒット。パンチでは攻勢を維持した
ウーバーミユのボディブローヒット。パンチでは攻勢を維持した
ウーバーミユが接近戦を上手く捌いてポーンティップをロープ際へ追い込んでいく
ウーバーミユが接近戦を上手く捌いてポーンティップをロープ際へ追い込んでいく

後半に移ってもウーバーミユがパンチ連打でポーンティップをロープ際に追い込むが、ポーンティップはミドルキックで蹴り返し、どちらにポイント流れるか解らない互角の展開は、僅差ながらウーバーミユが判定2-1で王座戴冠。第3ラウンドから流れを掴んでいたようには見える展開だった。逆に付けられた採点もあることから、ポーンティップの蹴りに重点を置いた見方もあったのだろう。

ウーバーミユは試合後、マイクで応援団に感謝を述べて、「これからもっと強くなって更に結果で恩返し出来るように頑張って行くので、ぜひこれからも応援宜しくお願いします」と語った。

世界のベルトを巻いてリングを下りたウーバーミユ。陣営周囲に笑顔を振り撒いていた
世界のベルトを巻いてリングを下りたウーバーミユ。陣営周囲に笑顔を振り撒いていた

◆第5試合 ライト級3回戦

NJKFライト級2位.岩橋伸太郎(エス/ 1987.6.4神奈川県出身/ 60.9kg)
30戦12勝15敗3分
         vs
ユウ・Art of Siam gym(=大田原友亮/B-FAMILY NEO/1996.6.6東京都出身/ 61.3→61.1kg)
89戦58勝22敗9分 
勝者:岩橋伸太郎 / 判定2-0
主審:スイット・サエリム・ランボー
副審:ノッパデーソン29-28. 中山29-27. 児嶋28-28.(ユウに減点1含む)

長らくライト級が適正ウェイトの岩橋伸太郎と、幼少期から徐々にウェイトを上げて来た大田原友亮。パンチ中心にアグレッシブに攻める岩橋伸太郎。大田原友亮は蹴りのヒットやパワーなど相変わらずのテクニックは豊富だが、岩橋を詰め切れない。

第2ラウンドには大田原が岩橋の蹴り足を掴んでバランス崩させマットに手を着いた状態を蹴り込んだ為、反則減点を科されてしまう。我武者羅に出る岩橋の勢いは衰えず、僅差ながら岩橋が判定勝利した。

岩橋伸太郎はマイクで「僕の方が年上なんですけど、ユウ選手は僕なんかよりベテランのレジェンドファイターで試合出来たことは光栄です」と語った。

我武者羅に出た岩橋伸太郎が、ベテランのテクニシャンのユウを上回った手数で圧倒
我武者羅に出た岩橋伸太郎が、ベテランのテクニシャンのユウを上回った手数で圧倒

◆第4試合 51.5kg契約3回戦

NJKFフライ級2位.谷津晴之(新興ムエタイ/ 2003.5.7神奈川県出身/ 51.85kg)
28戦15勝(9KO)8敗5分
         vs
JKIフライ級1位.吉角綾真(マイウェイ/ 2004.12.7山梨県出身/ 51.2kg)
12戦6勝(3KO)6敗
勝者:谷津晴之 / TKO 1ラウンド 1分47秒
主審:テーチャカリン・チューワタナ

谷津晴之は6月14日に吉仲悠とのNJKFフライ級挑戦者決定戦に判定2-0で敗れ、8月2日にはWBCムエタイ日本フライ級王座挑戦もチャンピオン渡部蕾のヒジ打ちに敗れ2連敗からの再起戦。

前蹴り、上下の蹴りの攻防はやや谷津晴之が圧力掛けて出る中、右ミドルキックで吉角綾真がブロックした左腕にヒット。まともに受けた吉角は左腕が折れた様子でノックダウン。かなり痛そうな表情でノーカウントのレフェリーストップとなった。

ミドルキックはやや受け流すように両腕で受けるところを、まともに腕一本で受け止め、二箇所折れた様子という。

谷津晴之は涙ながらに、吉角綾真陣営と共に谷津陣営にも計量オーバーを謝罪しました。更には12月にタイトル挑戦が決まるかもしれないことを述べ、「ジムの先輩たちのようにベルトを巻きたいと思います」と新たな決意を述べました。

谷津晴之のミドルキックをまともに受けた吉角綾真は腕を押さえてマットに沈んだ
谷津晴之のミドルキックをまともに受けた吉角綾真は腕を押さえてマットに沈んだ

◆第3試合 ライト級3回戦

小泉完知(エス/2004.4.14東京都出身/ 60.3kg)2戦2勝(1KO)
         vs
山本和紀(JKI/真弘館/1998.12.7静岡県出身/ 61.0kg)6戦2勝4敗
勝者:小泉完知 / 判定3-0
主審:スイット・サエリム・ランボー
副審:ノッパデーソン29-28. テーチャカリン30-29. 児嶋30-29.

上下の蹴りとパンチのアグレッシブな攻防は、やや小泉完知の圧力が優ったか。ジャッジ三者が揃うラウンドは無かったが、小泉が僅差ながら判定勝利。

アグレッシブな展開ながら決定打は無かったが、小泉完知がやや優ったパンチの攻勢
アグレッシブな展開ながら決定打は無かったが、小泉完知がやや優ったパンチの攻勢

◆第2試合 女子ミネルヴァ・スーパーフライ級タイトルマッチ3回戦(2分制)

チャンピオン.鈴木咲耶(チーム鈴桜/2007.10.5静岡県出身/ 51.9kg)
10戦8勝(1KO)2敗
vs
挑戦者同級2位.響子JSK(治政館/1987.12.6埼玉県出身/ 51.95kg)16戦6勝7敗3分
勝者:鈴木咲耶 / 判定3-0
主審:中山宏美
副審:ノッパデーソン30-28. テーチャカリン30-28. 児嶋30-28.

今年2月22日に王座決定戦でYuka(SHINE沖縄)に判定勝利で戴冠した鈴木咲耶。両者は過去2度対戦し、いずれも鈴木咲耶が判定勝利。

長身の両者。蹴りから首相撲でのヒザ蹴りの攻防。離れても上下の蹴り、組み付けばヒザ蹴りが続いた。初回は互角も徐々に鈴木咲耶の圧力が優っていく。ラストラウンドも鈴木咲耶が全ての攻防で優り、響子は疲労困憊気味。ジャッジ三者が揃って第2~3ラウンドを鈴木に振り、テクニックと粘りで優って初防衛に成功。

鈴木咲耶が的確な前蹴りなど蹴り中心に徐々に優っていく上手さを見せた
鈴木咲耶が的確な前蹴りなど蹴り中心に徐々に優っていく上手さを見せた

◆プロ第1試合 女子ミネルヴァ・ペーパー級挑戦者決定戦3回戦(2分制)

2位.ロウ・イツブン(NEXT LEVEL 渋谷/1995.5.26中国出身/ 43.0kg)
13戦4勝6敗3分
vs
3位.松本徐倫(ボス/1990.9.12広島県出身/ 42.85kg)18戦10勝(2KO)7敗1分
勝者:松本徐倫 / 判定0-3
主審:中山宏美
副審:ノッパデーソン28-30. テーチャカリン28-30. ランボー27-30.

ウーバーミユへの王座挑戦経験が有る者同士の対戦。開始早々はロウ・イツブンのハイキックが松本徐倫の頭部を掠めるが、松本は落ち着いてパンチの距離に持ち込む。ロウ・イツブンは蹴り中心に主導権支配したいが、松本のパンチは自分の距離を保ち圧力掛けて出て来る。松本の攻勢は続き、圧倒する展開で判定勝利。再度の王座挑戦権を獲得した。

松本徐倫がアグレッシブなパンチ連打でロウ・イツブンを追い詰めた
松本徐倫がアグレッシブなパンチ連打でロウ・イツブンを追い詰めた

◆アマチュア第4試合 オヤジファイト 67.0kg契約2回戦(2分制)

かずっち(BRAVE FIGHT CLUB/ 66.0kg) vs 河野友信(A-sk丈夫/ 65.5kg)
勝者:かずっち / 判定3-0 (20-18. 20-19. 20-18)

◆アマチュア第3試合 EXPLOSION 75.0kg契約2回戦(90秒制)

齋藤凌真(エスジム菊名/ 74.3kg) vs 島村ジャンカルロス(新興ムエタイ/ 73.7kg)
勝者:島村ジャンカルロス / RSC 2ラウンド 0:34秒

◆アマチュア第2試合 EXPLOSION 72.0kg契約2回戦(90秒制)

カウンシャトゥー(VALLELY/ 71.65kg)vs 大塚慶(新興ムエタイ/ 71.3kg)
勝者:大塚慶 / 判定1-2 (20-19. 19-20. 19-20)

◆アマチュア第1試合 EXPLOSION 61.0kg契約2回戦(90秒制)

藤井侑太(リプラス/ 60.7kg)vs 鈴木暖人(新興ムエタイ/ 59.0kg)
引分け 0-1 (19-19. 19-20. 19-19)

※第2試合予定でした女子ミネルヴァ・ピン級タイトルマッチはチャンピオン杉田風夏(谷山ジム小田原道場)の欠場により中止。王座は剥奪。挑戦者同級1位.鈴木萌(クロスポイント吉祥寺/ 45.1kg)に王座認定(ミネルヴァ規定)。

※試合順はこの後を繰り上げています(プログラムとは異なります)。

《取材戦記》

CHALLENGERシリーズと比べれば演出と派手さでは劣るものの、本来のキックボクシング興行らしさあるシンプルなNJKF横浜の試合でした。

大田拓真は久々の登場。今年はスペインでの世界王座陥落がありましたが、この日の復活劇でNJKFのエース格は健在でした。弟の大田一航はこの後の11月1日に出場。兄弟揃っての飛躍も来年の見所である。

年内のニュージャパンキックボクシング連盟興行は11月23日(月・祝)に茨城県水戸市青柳公園市民会館で「DUEL.40 MITO」が開催されます。国崇(拳之会) vs TAKAYUKI(=金子貴幸/K CRONY)が開催。TAKAYUKIの引退試合となる模様です。

▼堀田春樹(ほった・はるき)[撮影・文]
昭和のキックボクシングから業界に潜入。フリーランス・カメラマンとして『スポーツライフ』、『ナイタイ』、『実話ナックルズ』などにキックレポートを寄稿展開。タイではムエタイジム生活も経験し、その縁からタイ仏門にも一時出家。最近のモットーは「悔いの無い完全燃焼の終活」