鹿砦社代表 松岡利康
救援連絡センター発行の『救援』最新号が届きました。ここでも浅野健一氏が、ありもしないことを記載しています。これまでもみずからのFacebook(以下FBと略記)においては言いたい放題でしたが、かつては浅野氏の近くにいながら今は距離を置いている方の「相手にしないのが一番ですよ」というアドバイスもあり、あえて黙過していました。しかし、みずからのFB内ならともかく、小さくとも他のメディアに記載されると、ちょっと違うんじゃないかと思い、今春の出版差し止め騒動の総括記事も書かなければいけないし、反論記事を書いておくことにいたしました。


本年4月から6月にかけて、ちょっとした騒ぎになり、ことは表現の自由の問題に抵触することで、私なりに熱を入れて対処したのが、浅野健一氏による出版差し止め仮処分問題です。
4月3日、浅野氏のFBで、浅野氏があけび書房刊行予定の辻井彩子・著『石ころの慟哭──山上徹也・奈良地裁裁判の私記』に対し出版差し止め仮処分を申し立てる旨を公言したことを知り、出版差し止めを5度も甘受し、その一つはのちに逮捕・勾留に繋がった経験を持つ私としては大問題であり、これを批判、直ちにやめるように警告しました。この経過は、この欄でもさんざん申し述べておりますので端折ります。
その後、浅野氏は、公言通り4月16日(木)に東京地裁に同書に対する「出版禁止仮処分」(浅野氏による書面の表題)を申し立てます。しかし、これは週明け同月20日(月)に裁判所より取下げを要請(事実上の棄却)され、浅野氏はこれに従います。
ところが、仮処分申請書のコピーをメディア関係者に配布したり、差し止め仮処分が決定もされていないのに取次会社に同書を取り扱わないよう要望したり、同書著者を精神的に追い詰めるまで連日ネットリンチしたり、挙句、岡林信一あけび書房代表、同書著者・辻井彩子さんに加え、同書の帯を書いた鈴木エイト氏、途中から浅野氏の言動に疑問を抱き漸次コメントをした黒薮哲哉氏、それに私の5名に対し「5人組」と命名、今に至るまでさんざん誹謗中傷を加えて来ました。
しかし、6月27日、浅野氏のFBの1行から仮処分を取下げたことを察知した私は、これを私のFBにて指摘、遂に浅野氏もこれを認めつらつらと弁解をされ認め、また同月29日、岡林氏も裁判所に確認し、懸念された仮処分決定は回避されました。もし、ここで出版差し止め仮処分が決定されたら、逆に浅野氏は出版を妨害、弾圧した張本人として出版人から糾弾され出版史に記載されるかもしれません。
ここで問題なのは、仮処分を裁判所に一蹴されたにも関わらず2カ月以上も秘匿していたことです。そのかん、浅野氏は、やんややんやと大騒ぎし、これだけならまだしも、あけび書房本著者・辻井さんに対して、激しいネットリンチを掛けています。まさに人権侵害と言えます。ふだん「人権」がどうのこうの声高に叫んでいる御仁が、みずからの考えに反する人には、平気で人権侵害をするというのはいかがなものでしょうか? かつて『犯罪報道の犯罪』で匿名報道の必要性を問い、颯爽と論壇に登場した浅野氏も落ちたものです。
そうして浅野氏は、「本裁判を提起するため、弁護団を強化して、準備中です。完璧な訴状と証拠を提出します。民事裁判はすべてオンライン提訴となり、辻井氏と岡林氏の共謀による著作権侵害、盗用の全貌を明らかにします。表現者の権利に関わる裁判ですから、完勝を目指します。」と“捨て台詞”を吐き、以来、訴訟について言わなくなりました。もう9月も下旬ですよ、速く「弁護団を強化して」「完璧な訴状と証拠を提出し」「完勝」を目指していただきたいものです。
◆出版差し止めと共に沖縄でも問題発生!
一方で出版差し止めで大騒ぎをし、浅野さんは沖縄でも問題を起こしています。同志社国際高校の学生らが亡くなった忌まわしい辺野古の事故後のデリケートな時期に不用意な発言をし遺族の反発を買います。この事件については、学生時代から返還協定調印→批准阻止闘争を必死で闘い、ずっと反基地の立場を堅持し、侵略前線基地化に反対してきた私としては、浅野氏を含めた基地反対派やリベラル・左派の態度に強い違和感を覚え私見もありますので、稿を改めたいと思いますが、最も遺族の感情に配慮し遺族に寄り添うことを第一義にしないといけないことは分かり切った話なのに、逆に遺族の感情を逆撫でするとは、浅野氏らしいと言えば浅野氏らしい言動です。ここに浅野氏の人間性が表われています。人間、こういう時に、その人の人間性が表われます。
これに関連し、浅野氏は「人権と報道・連絡会」(代表世話人・浅野健一氏)主催で沖縄現地で集会を開きます。

この宣伝チラシで、連絡先を「宮川元一」という方の住所、電話、Fax等が記載されています。このことで宮川氏の元には抗議や誹謗中傷の声が多数寄せられ、音(ね)を上げます。当然です。これを察知したメディアの一つ『さくらフィナンシャルニュース』(浅野氏によれば日本会議系サイト)がこれを採り上げ、「正式なお問い合わせ先」として浅野氏の自宅の住所、電話番号等を記載して報じています。私がこれを見たのはマスキングされた状態のもので、正確に何々が記載されているのかは知りません。

ところが浅野氏は、それ(浅野氏の住所等が記載された記事)を私が「リツィート」し「全世界に晒した」と仰るのです。「リツィート」も何も、私はしていません。していると仰るのであれば、証拠を出してください。出せるわけがありません、私は「リツィート」もしてませんし、このサイトにコメントを書き込んだりもしてませんから。
ただ、浅野氏の支持者の中尾進氏という方が5月30日付けのFBに於いて、私について言及しておられますので、中尾氏のFBにひとことコメントを書き込んでいます。
これは以下再録しておきます。たったこれだけです。
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「Toshiyasu Matsuoka
中尾進さんに非難されている鹿砦社・松岡です。コレ、もともと人権と報道・連絡会の案内に宮川元一氏の住所が連絡先として記載され、宮川氏が迷惑を被り、人権と報道・連絡会と浅野さんに抗議し、それをさくらフィナンシャルニュースが、以前に人権と報道・連絡会の連絡先とされていたのを、変更されたものと気づかず浅野さんの自宅住所を記載し、それを岡林さんがそのままリポストしたにすぎないわけでしょう。浅野さんが代表の人権と報道・連絡会が当初から宮川さんの住所を連絡先に記載しなければよかったわけでしょう? なにか責任を、なんでもかんでも岡林さんが悪いと岡林さんに責任転嫁してはいませんか?」
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このかん浅野氏はみずからのFBにて、この件について再三再四私を詰っておられます。前述した、かつては浅野氏の身近にいて今は距離を置いている方の、浅野氏を「相手にしないのが一番ですよ」という忠告もあり、また浅野氏のFBに留まっている限りは無視しとこうと、あえて黙過していましたが、このたび、小さなメディアとはいえ、私も大なり小なり関わったり広告を出したりして支援したこともある救援連絡センターの機関紙『救援』に、またしても私に対する、事実と異なる誹謗中傷記事が掲載されました。初めて他紙に掲載されたわけで、ここで黙っていれば今後さらに拡大しかねないと思い、救援連絡センターと、その代表・足立昌勝氏、同代表弁護士・大口昭彦弁護士、連載を持ち浅野氏の出版差し止め仮処分申し立ての代理人・山下幸夫弁護士らにもCCでメールにて抗議したわけです。同センターにはこれまで、仮処分問題では、何度となくメールを送っており、6月11日には長文の「要望書」も送っています。私なりに力を入れて書きました。にもかかわらず、これに対して、同センターからも、足立、大口、山下氏らからも何らの回答やコメントもありませんでした。大口弁護士とは、この「要望書」についてではなく、これ以前に別途メールのやり取りはありましたが…。大口弁護士は、私の世代にとっては、まさにカリスマ的存在で、かの「名誉毀損」逮捕事件では弁護人にも名を連ねていただきましたし、昨年4月の『紙の爆弾』創刊20周年反転攻勢の集いに際しては多額のカンパもいただきました。その野武士的な生き方を尊敬し、ならば浅野氏がこのかんなさっていることに対してはガツンと叱責いただきたいものです。
私事にわたりますが、4月13日に高齢の母が急逝し、6月20日故郷熊本のお寺に納骨、4月から6月は精神的にもきつかった時期ですが、それでも出版差し止め仮処分という問題は、体験的にも重大問題でしたので、私なりに真っ正面から対峙し、適宜コメントしてきました。差し止め問題が一段落したと思ったら再びの大地震……イオンモールで生身の人間が目の前で焼死することに絶望的な気持ちになります。
◆足立昌勝救援連絡センター代表から返信! 浅野氏と松岡の「個人的問題」とする見解に「う~む」
このたびの私の抗議について、救援連絡センター足立昌勝代表から返信がありました。足立代表には、これまで何度もメールしてきましたが、初めての返信です。
以下、やり取りです。
《1》9月17日付け、松岡から救援連絡センターへのメール
救援連絡センターの皆様
鹿砦社・松岡です。本メールは極めて重要ですので、必ずセンターに関わる全員に回覧していただきたく強く要望いたします。
御紙『救援』9月10日号拝受いたしました。
そこに浅野健一氏の「人権とメディア」に「日本会議系のサイトが私(注・浅野氏)の自宅の郵便番号、住所、固定電話と携帯電話の番号、メールアドレスを世界中に晒した。また、その違法投稿を、あけび書房・岡林信一社長、鹿砦社・松岡利康社長らがリツィートした。」と記載されておりますが、これは事実無根で私松岡はリツィートしてはおりません。私がリツィートしたと強弁する文を掲載したのであれば、御紙次号において「証拠」を公開してください。そういう事実がないわけですから「証拠」を公開できるわけがありません。もともとくだんの「日本会議系のサイト」上の浅野氏の住所等個人情報が記載された画面を私は見ておりません。私が見たサイトが「日本会議系のサイト」かどうかわかりかせんが、私が見た時にはその箇所はマスキングされていました。
もっとも、私はX(旧ツィッター)をやっていませんので「リツィート」などできませんが……。
今春から浅野氏は、出版人にとっては生命線ともいえる出版差し止めを企てたり、あけび書房刊行出版物の女性著者に対し精神を病むほどまでに激しいネットリンチを繰り返したり、異常なまでに大騒ぎされました。遺憾なことです。言葉の上では「人権」を口にされながらも実際は人ひとりの人権などおかまいなしです。本来なら、浅野さんが女性著者に対する人権侵害行為をやっていることは私たちが幾度となく批判してきていましたのでご存知だと察しますが、それなら御紙の中心人物がそういうことをやっていることを厳しく叱責すべきではなかったでしょうか。
このかん浅野氏はみずからのFacebookにおいても私松岡に対し、この件はじめ激しい誹謗中傷を続けておられます。正当な批判とは到底思えません。
それはまだ浅野氏のFB上のことなので我慢しておりましたが、他の媒体(つまり御紙)に記載するとなると問題は別となります。
あらためて正式な抗議文書を送らせていただきますが、とりいそぎ強く抗議の念を表明いたします。
なお、浅野氏は、私に対しやFBやメールをブロックされているとのことですので、このメールは送っておりません。
私はセンターとの関係を悪化させたくありませんし、毎月『紙の爆弾』に寄稿いただいている足立先生の寄稿も継続したく思っておりますので、よろしく御高配のほどお願い申し上げます。
《2》9月18日付け、足立代表からの返信メール
松岡様
抗議の文章を読みました。
この件は、松岡さんと浅野さんの個人的問題であり、救援連絡センターとのまったく関係ありません。浅野さんが救援に書いた文章に反論があれば、ぜひ救援誌上で反論権を行使し、反論の文章を書かれてはいかがでしょうか。
抗議文には、次の一文があります。
「私はセンターとの関係を悪化させたくありませんし、毎月『紙の爆弾』に寄稿いただいている足立先生の寄稿も継続したく思っておりますので、よろしく御高配のほどお願い申し上げます。」
このような形で私の名前を出されることは、非常に迷惑です。このようなことが続けば、私の紙の爆弾への寄稿があたかも非難されているように海(ママ)けられざるを得ません。
前回の抗議文にも名前が出されていました。
ぜひ、このような私の名誉にかかわることをやめていただきたいと思います。
先にも述べたとおり、もし反論があるならば、救援誌上で反論を述べていただきたいと思います。
なお、救援連絡センターでは、救援に関する検閲は行なってはいません。
浅野さんの文章は、本人の責任で書かれたことであり、救援とは全く無関係です。
以上、よろしくお願いします。
《3》9月18日付け、松岡から足立代表への再返信メール
足立先生
拝復 今回初めて先生のご意見を伺いました。
まず、浅野さんによる出版差し止め仮処分問題、山下弁護士や大口弁護士ら、浅野さんも含めセンターの中心人物3人も関わっておられます。
それに浅野さんは、あけび書房本の女性著者、それもプロのジャーナリストでもライターでもない人に対する激しい人格攻撃など、「人権」を語る人がやるべきことではないし、これは私も何度となく批判していることですが、果たして先生らは浅野さんに叱責されたのでしょうか。いくら「人権」だなんだと言っても身近の人物が身近で起こしている人権侵害を黙っているのでしょうか。
こういうことを私は6月11日付けの貴センターへの「要望書」はじめ何度も申し述べてきました。しかし貴センターからのリアクションはありませんでした。再度その「要望書」をお読みいただきたいと思います。私なりに力と時間をかけて書いた「要望書」です。何のリアクションもないというのも寂しいものです。
本件、私と浅野さんとの「個人的問題」ではありません。センターの内部の方で情報を寄越してくれる方もおられますが、センターではそう処理しようということのように感じられます。
そうではありません。浅野さんが「5人組」と非難されるように、鈴木エイト氏はじめ社会的に名のある方も複数関わっておりますし、また浅野、大口、山下氏らセンターに深く関わる方々もおられるわけですから、常識的に見て、私と浅野さんの「個人的問題」ではないでしょう?
それに、先生はセンターの代表でしょう? こういう問題が起きた場合、責任を持って対応するのが「代表」ではないのですか? あくまでも私と浅野さんの「個人的問題」として処理されるわけですか?
また、「浅野さんが救援に書いた文章に反論があれば、ぜひ救援誌上で反論権を行使し、反論の文章を書かれてはいかがでしょうか。」ということですから、ぜひ「反論権を行使」させてください。
尊敬する足立先生や大口弁護士らに異を唱えることには忸怩たる想いですが、浅野さんがあけび書房の出版物に対して出版差し止め仮処分を公にされて以降私は一貫して、いやしくもジャーナリストが、みずからの意に沿わない出版物を差し止めることはダメだと主張してき、また貴センターにも申し述べてきました。これも私と浅野さんの「個人的問題」で片付けようとなさるわけでしょうか?
出版差し止め、とりわけこの仮処分は、出版や表現に関わる者にとって重大な問題です。私たちの出版社・鹿砦社は過去に5度も出版差し止めを受け、このうち1件は、その後、私の逮捕→192日間の勾留にまでつながりました。出版差し止めは、憲法21条に謳われた表現の自由、言論・出版の自由にとって最大の敵です。みずからの体験からもそう断言できます。
大先輩に対して遠慮のない不躾な文を返信させていただきました。私はこういう文しか書けませんので、何卒ご容赦ください。 敬具
《4》相談した、あるジャーナリストの意見
松岡様
お世話になります。
足立さんの文章には呆れて言葉がありません。浅野さんと松岡さんの個人的な問題であれば、機関紙上で松岡さんに対する個人攻撃を容認してはいけません。紙面を提供した以上、書かれていることの責任を取るのは当たり前です。それを放棄して、言い訳をしているわけですから大きな問題でしょう。名誉教授として、恥ずかしいことだと思います。