鹿砦社の代表交替と、新代表に就任するにあたって

株式会社鹿砦社 新代表取締役(11月1日より)
『紙の爆弾』編集長 中川志大

現在発売中の『紙の爆弾』11月/12月合併号の誌面にも記載のとおり、本年11月1日より株式会社鹿砦社の代表取締役社長に就任します。

現代表・松岡も述べていますとおり、出版業界、特に小規模出版社にとって苦境の中で舵取りを交代するわけで、必ずしも“目出度い”とは言い切れないのが正直な心情です。いままで出版実務面は多くを担ってきたものの、経営はまったく違うもので、現代表に教えを請いつつ、試行錯誤を新たに始めることになります。また、経営の立て直しから着手することになるため、実際には1年ほどは、移行期間のような形です。とはいえ、徐々にでも、私のカラーをにじませていければと思っていますので、本誌とともにぜひご注目ください。

私・中川というと、本誌では現代表から、2005年の鹿砦社出版弾圧事件で、ただ一人残った社員として紹介されますが、一度立場を決めたらそこで最大限の努力をするという精神(旗を立てたら動くな)は、当時から変わっていません。こと言論を扱う身としては、目先の利益を追いかけ立場を変えるのを「合理的」と呼ぶような社会にあっても、異論を投げかけ続けることが、この社会に違和感を持つ人にとっての励みになるのではないか。そこにこそ、鹿砦社や『紙の爆弾』の存在意義を持ちたいというのが、私の考えです。

それが具体化できつつあるのか、本誌は大手誌が休刊する中で、相対的に売上を伸ばしています。そして、ここ数年、「『紙の爆弾』が面白くなった」という声をたびたびいただきます。「本を出版する」ということが本当に難しくなっている中で、小出版社が生き残る道は、そういった声を大事にしていくことだと思います。なかなか展望が開けない社会にあっても、「まだ、鹿砦社がある」と思っていただけるような出版社を目指します。今後とも激励とご支援を、よろしくお願いいたします。

中川志大新代表取締役。画像は2015年の『紙の爆弾』創刊10周年のイベントでのショット。於・たんぽぽ舎。

※この挨拶文は、『紙の爆弾』11月/12月合併号を定期購読者/会員の皆様らへ送る際に同封した挨拶文を、表題を替えて転載したものです。