「ロス疑惑」以後の三浦和義

今は亡き三浦和義氏は「ロス疑惑」によって自らが人権侵害を受けた経験から、人権問題に関わるようになった。特に、無実を叫びながら逮捕された人たちの救援に尽力してきた。しかし一方で、その言動が問題になることが度々であった。

1つは奇行により騒がれることだった。2度にわたり万引きの疑惑を持たれたのだが、これはどちらも短気を起したことが原因だった。

まず、書店でのことだ。彼が代金を支払わず本を持って出る様子が防犯カメラに映り、このため警備員が駆けつけたところ、会計ではなく注文などをするカウンター前にいた。ここで支払いができると思ってしまったと言うので、盗む気はなかったと考えられるから嫌疑不十分ということになったが、そもそも、会計をしようとしたら他の客が並んでいたので、待つのが嫌だからと別のカウンターへ行ったと言うのだ。

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決して満足しないストーンズ(その1)

ロックバンドの代名詞とも言える、ローリング・ストーンズが日本にやってきた。1960年代結成のバンドを、今尚こうして観ることができるのは奇跡に近い。東京ドームで3日間、また演ってくれることを神に感謝したいところだが、粗暴な振る舞いや歌う曲の内容から悪魔とも呼ばれた彼らなので、悪魔にも感謝したい。

アップテンポな「Get off my cl0ud」でライブの幕を開け、数々の名曲を披露する。メンバーの殆どが70歳を越えているが、驚くべきエネルギーだ。特にミック・ジャガーはすごい。東京ドームに広く取られたステージ上を縦横無尽に走り回る。1塁側ベンチから3塁側ベンチまで、またバックネットの辺りからマウンドの辺りまで、所狭しと駆け回ってはシャウトし、踊る。「Emotional rescue」では1曲通して裏声で歌い続ける。途中上着を脱いでシャツ1枚となるが、その細い身体に年齢からは信じられない筋肉がついているのがわかる。

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『錯乱の時代を生き抜く思想、未来を切り拓く言葉』で語る上祐史浩【ブックレビュー】

公安調査庁の今年発行の「内外情勢の回顧と展望」に、鹿砦社の『終わらないオウム』が表紙の写真入りで紹介されていた。
『終わらないオウム』では、鈴木邦男の司会で、上祐史浩と徐裕行が語り合っている。
このような本の出版は、「生き残るための挑戦」として、「脱麻原」を喧伝するためのメディアの活用と、公安調査庁は見ているようだ。

オウム真理教は「Aleph」に改名して活動していたが、 2007年に上祐史浩が率いる「ひかりの輪」が分かれて活動を始め、現在に至っている。
これを公安調査庁は路線対立による分裂と見て、「ひかりの輪」の脱麻原の姿勢は信者獲得ためのポーズだとしている。
一般の人々の見方も、それに近いのではないだろうか。

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受信料を取る理由をNHKから剥ぎ取る、会長、経営委員らの素晴らしい「ご活躍」

NHK経営委員でありながら、新右翼、野村秋介氏の朝日新聞社での自殺を礼賛した追悼文を書いた、長谷川三千子。過去にNHK受信料を不払いしたことを誇る文章を書いていたことを、毎日新聞が見つけて報じた。

長谷川氏の手紙は、月刊誌「正論」2005年7月号、元獨協大学名誉教授の故・中村粲(あきら)氏のコラム「NHKウオッチング」で紹介されている。
卒業式の国旗掲揚・ 国歌斉唱問題を取り上げた05年3月放送のNHK「クローズアップ現代」について、長谷川氏が次のように綴っている。
「本当に酷(ひど)うございましたね。私も生まれて初めて NHKに抗議電話をしようといたしましたらば、すでに回線がパンク状態でございました。ちやうど自動振替が切れましたので、NHKが回心するまで不払ひを続けるつもりでおります」

旧仮名遣いなのは本人の趣味だろうが、「回心」というのは改心と違い、キリスト教で過去の罪を改め神に心に向けることだ。
NHKに対して、キリスト教の神に心を向けろと言うのか。こうなると、野村秋介氏を礼賛したのも、滑稽に見えてくる。
長谷川氏はNHK経営委員である前に、埼玉大学名誉教授で、しかも専攻は哲学。
日本の知性は、これで大丈夫なのかと心配になってくる。

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スラップ訴訟までかけてきた亀田家の暴走に、鉄槌を!

スラップ訴訟反対  被害者支援の会」を仲間のジャーナリストと立ち上げ、私は管理人となった。きっかけは、盟友のジャーナリスト、片岡亮氏が書いたブログに対し、ボクシングの亀田大毅と興毅が訴訟していきたことによる。記事は、亀田大毅が昨年の世界戦で、ボクシングのグローブを「どこの国のグローブを使っても良い」と亀田サイドが相手がたに伝えた。ところが実際は、亀田サイドは、本当は相手に日本のグラブを使って欲しかったのだ。

試合を有利に運びたい亀田サイドは、亀田興毅らがJBCのスタッフを監禁し、相手がたのグラブを日本のものに変えてくれるように伝えるように頼んだ。だがどのグラブを使うかは、試合する当事者どうしの話で、JBCが絡む筋合いのものではない。
JBCのスタッフがその旨を告げると「どうにかしてくれや。コミッション料金を払っているだろうが」とビデオをまわしながら興毅が言う。言質がほしかったのだろう。
JBCスタッフは、「試合のコミッションをもらっているのであって、別にあなたたちの代理人じゃない」と言い返した。当たり前の話である。JBCは審判やリングガールなど中立な立場だからだ。

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どんな苦境の時でも、沖縄の人々とともにあった、三線の音色

今日は、なんの日か? 3月4日。見たまんま、「さんしんの日」なのだ。
「さんしん」とは、言うまでもなく、沖縄の芸能・文化に欠かせない楽器、三線。
元琉球放送の上原直彦さんの提唱により、1993年から、3月4日が「さんしんの日」となった。沖縄ではもちろんのこと、日本の各地、ハワイ、シカゴ、ブラジル、ロサンゼルス、南アフリカ、インド、フランス、北京、タイ、上海、ドミニカ共和国などでも、各種のイベントが開催されてきた。

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ビルの1階に置いてある、誰も弾けないピアノ

通勤しているビルの1階ホールに、スタインウェイのグランドピアノが置いてある。ピアニストであれば誰もが憧れる最高級品のピアノで、安く見ても1千万円はする。このビルは特別コンサートホールになっているわけでもなく、ただのビジネスビルだ。年に数回、イベントなどでピアニストを呼んで演奏されることがあるようだが、毎日通勤している私は今まで観たことが無い。

大型ビルや高級ホテルのロビーなどに、ピアノが置いてある光景はよく観る。ピアノ=上流階級という図式が必ずしも成り立つわけではない。が、今でもピアノやバイオリンを嗜んでいる、と聞くと上流の匂いを感じるほどに、イメージが作られている。スタインウェイでなくてもグランドピアノ自体高級品であり、ビルのフロアに置いている企業やホテルは景気がいい様に見える。上品さと業績の良さのイメージを作るにはもってこいのアイテムというわけだ。

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よく見るようになった、「ちょっと私」熟女の生態

「ちょっと私」が口癖の熟女をよく見るようになった。
どういう現象かと思ったが、「ちょっと俺」が口癖の男性は多かったのだから、女性が男性化しているということだろう。
出会った実例を、一つ紹介しよう。

私たちは、ある祭に関する本を作ったスタッフであった。できた本を、祭の会場で売ることになった。
書き手が、買ってくれる読者と直に接することは稀だ。

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便利なのか不便なのか、パスワード時代

インターネットを利用して買い物が出来たり、カードの利用額の確認や銀行口座の確認まで出来る便利な時代だが、不都合も大分増えてきた。最も感じるのがパスワード入力の多さだ。

私がブラウザにパスワードを記録している数を見たら、60を超えている。ネットショッピングやネットサービスを存分に使っているのもあるが、異常な数だ。やたらあちこちに登録していると、その分個人情報が流出する危険性も増えるため、不要なアカウントは一斉に削除した。よく利用するAmazonやYahoo、楽天などの他に、一度しか買い物をしていないショップの登録が数十店舗ある。今やどこで買い物しようとしても、まず会員登録を要求され、IDをパスワードを設定してから、という流れになる。当然セキュリティのためなのだが、各ショップにしてみれば会員登録数がそのまま顧客の数として対外的にアピールできる。うちはこれだけ会員数がいるんですよ、と繁盛しているのを示せるというわけだ。リピーターの買い物客も一度限りの客でも関係が無い。さらにメールマガジンを一斉配布すれば宣伝効果も高く、そこに広告を載せれば広告収入も上げられるというわけだ。

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争点としないはずだった都知事選の結果で、原発再稼働はおかしくないか

「最高の責任者は私だ」として、あたかも自らが憲法解釈を行いうるかのような、安倍晋三首相の国会答弁に注目が集まっている。
これはもちろん大問題だが、その陰で、安倍政権が明確に原発の再稼働に舵を切っていることは、あまり注目されていない。

2月25日に、政府がまとめた「エネルギー基本計画」の原案は、原発を「重要なベースロード電源」と位置づけた。
「ベースロード電源」とは、季節や時間帯に関係なく安定的に出力できるという意味で、電力供給の基礎を原発に置くということだ。
原案には、原子力規制委員会の新規制基準をクリアした原発について「再稼働を進める」とも明記されている。

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