まだ捕まっていないPC遠隔操作事件「片山被告以外の犯人」

薄気味悪い展開になってきた。PC遠隔操作事件をめぐるマスコミ報道のことである。

弁護団の熱心な冤罪PR活動などにより冤罪を疑う声が広まっていた片山祐輔被告(32)が一転して地獄に突き落とされたのは今月19日のこと。3日前の公判中に「真犯人」を名乗る人物から報道関係者らに届いたメールが片山被告の「自作自演」だったと判明したという“捜査情報”が相次いで報道されたためである。

報道によると、片山被告を尾行していた捜査員が荒川の河川敷で片山被告が不審な行動をしているのを確認。報道関係者らに「真犯人」からのメールが届いたあとで河川敷の地面を掘り起こすと、ポリ袋に入ったスマートフォンが見つかり、「真犯人」を名乗るメールが送信された痕跡や片山被告のDNAの付着が確認されたという。

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週刊誌の仕事の表から裏まで教えてくれた、大先輩が逝ってしまった

過日、『週刊特報』でお世話になった種義則編集長(宝島社)が亡くなったという知らせが入った。2002年夏の創刊から2004年の夏、休刊するまで、まる2年、デスクとしてお世話になっていたが、さまざまな出来事を思い出す。僕が担当するのはニュースであり、とりわけスクープが求められていた。

僕は週刊文春で仕事した経験があるフリーの記者たちを集めた。彼らが情報網を駆使して集めたネタは、政治、経済、事件、警察のウラ、総会屋など実に多岐にわたっていた。書き上げてきたデータを、週刊誌らしいフォームにリライトする作業に、時間は大きく費やされた。また、グラビアも担当した、膨大なヌード写真のポジがある。それをどう組み立ててページにするのか、一から種氏は手取り足取りで教えてくれた。

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片山祐輔被告が無実だと信じていた1人として、思うこと

遠隔操作ウイルス事件で逮捕され、無実を主張して保釈されていた片山祐輔被告が、真犯人を名乗るメールを報道機関などに送ったが、それが自作自演であることが発覚し、5月20日、「自分が犯人でした」と出頭した。
彼の無実だと信じ、ここでもそう書いてきた筆者としては、間違ってました、ごめんなさいと、頭を垂れるしかない。

佐藤博史弁護士は、記者会見で語った。
「これは弁護士をしていれば必ず起きること。それで被疑者を非難するようでは弁護する資格はない」
勇気ある発言だと感じる。片山被告は国選弁護人への切り替えを申し出たが、佐藤弁護人は、「私は見捨てたりはしない」と弁護を続けると語った。

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坊っちゃん湯に浸かりながら、考えた

地方に行くと、なんとなく「ここに住むことは出来るかな」と考えてみる。
大自然に包まれた素敵な土地でも、図書館もなく本屋もなくレンタルビデオ店もない、となると、やはり住むのは難しい。旅で来るのがいい、ということになる。

住めるかもしれない、と思った土地の一つが、松山だ。
愛媛県の中核都市であり、大街道や銀天街などのアーケード街があり、図書館、本屋、レンタルビデオ店などは問題ない。美術館や博物館もある。
少し車を走らせれば、瀬戸内の海、四国カルストと自然が広がっている。

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ゴミになるチラシだの会員カードだの、出来るだけ減らしたい

掃除は嫌いではないが、得意でもない。得意ではないが、ゴミ屋敷に住みたくはないので、連休になると大掃除をする。掃除するために連休があるのかと錯覚すら覚え、休みが終わると掃除のための休みだったような気になってくる。

掃除をしていて気が付くのは、チラシだの余分な紙類がやけに多いことだ。定期購読をしている新聞も雑誌も無いのに、チラシばかりどんどん増える。勝手にポストに入れられるものが多い。「チラシお断り」というプレートを張ると大分効果があるようで、一時期に比べ激減した。わざわざこういうプレートを張っているところにチラシを入れると、クレームが来て面倒だということで入れなくなるらしい。それでも地域や役所からの案内などはしょっちゅうくるし、適当な店で買い物をして会員登録すると、記載した住所宛にチラシが届いてしまう。さすがに役所にクレームを入れるわけにもいかないが、どうにかならないものか。

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元赤軍派議長・塩見孝也が闘う、駐車場反リストラ闘争

「たかが駐車場、されど駐車場」
今、駐車場を舞台にして、元赤軍派議長・塩見孝也が闘っている。
塩見孝也とは何者か? もはや今、説明が必要だろう。
学生運動の嵐が吹き荒れていた、1960年代後半、京都大学でブント(共産主義同盟)の活動家となり、幹部となると、武装闘争を唱えたのが、塩見氏である。

それまでヘルメットを被り、角材を持って機動隊とぶつかる、というのが先鋭的な学生運動のスタイルだった。そこに、火炎瓶の使用を強く主張したのが、塩見氏である。1968年10月21日の新宿騒乱の時だった。この時は、火炎瓶は用意されていたが、政治局内での激論の末、使用は見送られた。火炎瓶が使われるようになるのは、その後だ。

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ゼンショーに善の心や禅の心はあるのか

すき家を運営するゼンショーが追い込まれている。営業利益は前期比44%減、アルバイト不足のため営業できない店舗は、一時休業や改装中も含めると200店舗近くになる。そこにゼンショーHDの小川会長兼社長が「日本人は3Kの仕事やりたがらない」と述べたことを朝日新聞が報じたところ、猛反発を受ける事態になっている。

尤もゼンショー側はこの記事の発言を否定しているが、そうでなくても今すき家で働きたいという人はそうそう居ないだろう。かつては従業員の残業代を払わないことで悪名を上げ、訴えを起した労働組合には「アルバイトは組合員とは認めず、かつ業務委託扱いなので残業代も出さない」と述べた会社だ。それ以前には、残業代の支払いを求めた従業員を窃盗容疑で逆告訴したこともある。この窃盗容疑とは、従業員が廃棄予定のご飯をまかないとして無断で食べたというもので、後に不起訴処分となっている。

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鰻を食べ続けることは出来るのか

鰻を知らない日本人はまずいないだろう。鰻のかば焼きが嫌いという人は、時々いるが、多くの日本人は好きな食べ物と答えるだろう。縄文時代の遺跡から鰻の骨が発掘され、万葉集にもその名前が出てくるぐらいに、古来より日本人は鰻を食べる文化があった。

しかしその生態を完全に知る者はいない。日本はおろか、世界中探してもいない。図鑑等では便宜上淡水魚に分類されているが、淡水魚ではない。古くは河川や湖で捕獲されてきたが、江戸時代になると江戸湾(東京湾)で多く獲れるようになった。近代まで日本の河川や近海に生息する生き物だと思われてきたが、研究を重ねられるうちに海を広く回遊することが知られてきた。産卵場所も1990年代になって、ようやくグアム島近く、マリアナ諸島沖であるということが判明したばかりだ。

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『2014ローリング・ストーンズ in 東京』【ブックレビュー】

老いまで、ロックにしちまったのか、あんたらは。
転がされる石のように暮らす日々の中で手に取った、写真集『2014ローリング・ストーンズ in 東京』を開いてそう思った。
2014年の東京公演。ステージ上の、ミック・ジャガー、キース・リチャーズ、ロン・ウッド、チャーリー・ワッツを捉えた鮮明な写真。
転がる石であり続けた証のように、顔の深い皺までが、ビートを刻んでいる。

熱狂的なファンでなくとも、この世に抗って生きようとする者なら、ローリング・ストーンズの曲は、心の底でいつも響いていたのではないだろうか。

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山口地検傍聴席占拠問題をめぐる検察庁の対応の不当性を有識者たちも認めた!

筆者は当欄で、2010年に下関市であった女児殺害事件に関し、無実を訴えながら裁判員裁判で懲役30年の判決を受けた在日韓国人の男性・湖山忠志氏(30)=最高裁に上告中=の冤罪疑惑や山口地検・保木本正樹三席検事(当時)の取調べ中の民族差別発言疑惑を繰り返し報告してきた。また、昨年1月16日付けの「頼りにならない最高検監察指導部」(http://www.rokusaisha.com/blog.php?p=2101)という記事では、この事件の裁判員裁判で澤田康広次席検事(当時)ら山口地検職員が山口地裁に請求して取得した特別傍聴券により毎回6席の傍聴席を占拠していた問題についてもレポートした。この澤田次席検事らの傍聴席占拠問題をめぐり、最近になり事態の進展があったので、お伝えしたい。

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