経営権を巡る父娘の対立が激しさを増している老舗の家具メーカーの大塚家具。創業者である父の大塚勝久氏が2月25日に突然会見を開き、長女の大塚久美子社長に辞任を求める異例の事態に発展した。

「安い家具メーカーの台頭で、売上が凋落し、会社の改革を求める大塚久美子社長と、昔ながらのやりかたを求める勝久会長との確執ですよ。家族内の内紛というより、経営方針の食い違いで、お互いの弱みをマスコミに暴露する泥試合となっています」(経済雑誌記者)

◆「家具屋姫、暴虐の羞恥~欲しがりません、勝つまでは」などなど

なお、このトラブルに乗じて「久美子社長は、あの年齢にしては美人だ」というところから始まり「家具屋姫、暴虐の羞恥~欲しがりません、勝つまでは」というタイトルのAVや「お家騒動 ベッドで突いて」などという乱交もののAVも企画されているようだ。

「この女社長がやらせてくれないと、社員たちが下半身にストレスが溜まり、優秀な社員が退社してしまう」と社内が混乱したり、「父親を社長に戻して家畜にして欲しい」とOLが叫んだり、「大株主さんを肉弾で落とす女役員が出現」など、企画会社がメーカーにプレゼンするシナリオは懲っているのひとこと。問題は女優だが、「林ゆな」「雪菜」などの人気熟女が候補にあがっているという。

「こうした社会的な出来事を、すぐにAVのタイトルと企画に反映させる」手法は、AV業界ならではだ。

「年老いた会長と、熟女の社長が近親相姦するという案も出るには出たが、あまりにもリアルなので却下されたと聞いています」(AV業界関係者)

アイデア一発で、ヒットにつながるので、こうした時事ネタの企画が今はAV業界では通りやすいようだ。

「さすがにイスラム圏で拉致されて、女ジャーナリストが乱交してきたという内容の企画書がありましたが、すぐにボツになりましたね」(同)
今やAV業界を見れば世相がわかる。不謹慎ながら、川崎の中1事件になぞらえて「川崎ギャングにレイプされて」なんていう不見識なタイトルが浮上してくるのも時間の問題かもしれない。

◆「機を見るに敏」の妙技──AVコピー大賞はないものか

その昔、「喜びも悲しみも幾年月」という映画があった。これを真似てAVは「喜びの悲しみもイク腰つき」ときた。また「インタビュー・ウィズ・バンパイア」というドラキュラの映画が受けたら、「インサート・ウィズ・バンパイア」とタイトルがつけられて、ドラキュラとAV女優の絡みのAVが受けた。

沢尻エリカが映画のキャンペーンで女子アナに「ロケーションの思い出は何かありますか」と聞かれて「別に」とぶっきらぼうに答えた場面も「別に…犯された女優のレイプ?生意気過ぎる女」などというAVも出た。
「タイトルをつけているのは監督や現場のプロデューサーです。とくにコピーライターや専門の人が入っているわけではありません」(AVライター)

小保方騒動があったときは「万能性欲ERO細胞はあります…」理系女子リケジョの性欲は激ヤバイらしい…研究ユニットリーダー小●方さんが媚薬研究しているうちに…「研究に不正はありません!私自身が臨床実験に成功、性交し効果を体感しています」との長いタイトルの作品が、また、これはボツになったが、例の水商売のアルバイトの過去により内定取り消しとなった女子アナ事件を彷彿とさせる「女子アナ面接 受かるためには過去を消してアナルで奉仕」なる作品も企画としてあがっていた。

「まさに機を見るに敏。『アナルと天国ゆきの女王』とか、タイトルが先に決まってから、内容を合わせていく撮影のやりかたもあります。ただ、このところ秀逸なものは見あたりませんね。頻繁に今、制作会社は、企画を募集していますが、それとて『おもしろいタイトルが思いつかない』からだと言えますよ。タイトルが美しく、ジャケットがエロければ作品は売れますからね」(同)

ほかには、おもしろいタイトルは「渡る世間はエロばかり」「20センチ少年」「こきせん」「となりのスカトロ」「不思議なクンニのアリス」「前戯なき戦い」などなど。

「もしもAV作品にその年の優秀なものを表彰する『タイトル賞』があれば、さぞかしレベルが高いものになるでしょうね。なにしろ、タイトルを考えるだけで一週間も連続して会議してへとへとになった制作会社もあるほどですからね」(AV業界関係者)

◆新人ADに「タイトルを100考えろ」と命じるAV業界の激しい競争力

一年目のADなど、「タイトルを100考えろ」などと上司に言われるのはもはや常識。だからこそ思いつかないで新人がビシバシ退社、常に募集しているという事態に陥っているのだが。

2000本も売れれば大ヒットと言われるAVの世界。今、無料でエロ動画が楽しめる時代ゆえに競争は激しい。メーカーのホームページを開けば、確かにどこもかしこも企画を募集している。一旗あげたい諸兄は、一度応募してみるといいかもしれない。

(伊東北斗)

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気が重い。正直これから御紹介する内容は私の勘違いか、誰かのうっかりミスで「ほら、やっぱりそんなことはなかったじゃないか」と安堵したい。

だが、事実は事実である。いかに残念な事態であろうが正視するしかない。

岩波書店が就業規則の改定を検討している。詳細は同社社員で佐藤優の起用に孤立無援で異を唱えてきた金光翔氏による「岩波書店の就業規則改定案について」(2015年3月15日付け首都圏労働組合特設ブログ) が詳しいので是非ご一読頂きたい。

◆自社関係者を「誹謗中傷」した社員は解雇! 「風紀を乱す恐れ」のある社員は出入禁止!

端的に言えば「岩波で文章を書いたことのある人間や社内の人間、また取引先に対して批判 (改正案では「誹謗中傷」と言う言葉が使われているが実際に意味するところは「批判」も含まれるであろうことは、その他の改定が検討されている内容を見れば明らかだ)をするな。もしそんなことをしたらクビにする ! 」という宣言だ。

また、「会社は他の職員の懲戒に該当する行為に対しほう助または教唆もしくは加担したことが明白な職員については本人に準じて処分する」ともある。
さらに、「会社の風紀を乱し、または乱す恐れのある者」は「社内への入館を禁止し、または退館を命ずることができる」ようにしたいそうだ。

こんな恐ろしい就業規則を持っている出版社があるだろうか。「風紀を乱した」ら会社への立ち入り禁止だそうだが「風紀」て一体なんだ? 小学校なら風紀委員がいて「遅刻」や「喧嘩」した児童を学級会で問題にして反省を促すかもしれないけども、出版社の就業規則に「風紀」と言う言葉は馴染むだろうか。

しかも風紀を乱していなくても「乱す恐れがある者」なんて一体どうやって決め付けるんだ。「お前は風紀を乱す恐れがある」と言われてしまえばそれは確率的にはゼロじゃあないんだから誰一人反論は出来ないじゃないか。社長や役員だって酩酊して人に迷惑をかける「可能性」はあるわけだから、厳格にこの規定を運用すれば岩波書店の社屋には人が一人も居なくならなければならない。

「他の職員の懲戒」に関する、「ほう助」や「教唆」、「加担」という言葉を眺めていると、これは「就業規則」ではなく「特定秘密保護法」の条文ではないかと錯覚してしまう。

◆「戦後リベラルの象徴」岩波書店が日本国憲法の精神を堂々と無視!

この就業規則改定案には「日本国憲法」の精神や明文規定が全く意識されていない。「会社に入ると法律も憲法もない」と名言を吐いた人がいたけれども、そんな会社でも就業規則は法律の範囲内で書かれているはずだ。あくどい会社であればあるほど外部の目や労働基準監督署を気にするから社内規程は綺麗に書いてあるものだ。そしてそれを堂々と無視する、というのが標準的な日本の会社だが、岩波書店が行おうとしている就業規則の改定はそれ自体が「不当労働行為」に該当するのではないか。少なくともこれらの改定案は非合理的であるばかりでなく、社員への恫喝に近い。「風紀を乱す恐れ」のある者にならないように社員が萎縮するのは間違いない。

私のような場末に生きる人間がまさか「あの」 (「あの」は「信頼をおいていた」の意である)岩波書店を批判しなければならない日が訪れるなどとは想像もしていなかった。

今さら私が解説するまでもなく岩波書店は老舗で良書を膨大に出版してきた実績を持つ。数ある出版社の文庫の中でも岩波文庫は別格の評価を得ている。私自身お世話になった岩波書店出版物は200や300冊ではきかない。たしかに『世界』(岩波書店が出版する月刊誌 )はちょっとお高くとまりすぎていて愛読書にはならなかったけれども、良質な文章が頻繁に寄稿されていることは間違いない。

その岩波書店が一体どうしたのだ ! 読売新聞や産経新聞でもこんな就業規則は採用しないだろう。

◆岩波書店の著者たちはこの就業規則改定を是認・黙認してしまうのか?

岩波書店の就業規則改定は笑われるだけでは済まないだろう。少なくない作家や著述業者が疑問を持つに違いない。本当に良心のある作家や研究者はこの事態を知れば黙ってはいまい。真の知識人とはそういうものだ。

この就業規則改定に当たっては、長年孤立無援で会社と戦ってきた金光翔氏個人を狙い撃ちにしたものである可能性も否定出来ない (その辺りの事情は『告発の行方2』鹿砦社に詳しく掲載されている)が常軌を逸していると言わざるを得ない。

岩波書店はリベラルだ、とのイメージを持っていた私は馬鹿だったのだろうか、それとも岩波書店が馬鹿なのだろうか。こんな比較をする日が来ようとは。誠に不幸極まりないし残念至極である。

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ

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「またこいつ捻くれたことをいいやがって」との謗りを承知で敢えて私見を開陳する。

私はいい年をしてよく他人から叱られる。「だから拗ねてるんだろう」と言われるかもしれない。おおよそ「お褒め」にあずかるような人間ではない。

「勲章」という言葉は誰でも知っているだろう。でも抽象的な意味の「勲章」ではなく日本国の「勲章」をもらったことのある人は読者の中にはいないであろう(もしいらしたら失礼!)。

日本国の「勲章」は選考で内閣総理大臣が決定した「叙勲候補者推薦要綱」に基づいて両院の議長、最高裁判所長官、各省大臣、会計検査院長、人事院総裁、宮内庁長官から国家公安委員長などを経て内閣総理大臣に対して受章候補者の推薦が行われる。そして内閣総理大臣が候補者を審査して閣議決定が行われ、その後天皇に意向を確認して承諾を得た後発令されるという手続きを踏む。

つまり、安倍により選考されて「行政司法のほとんどの最高権力者の承認」を得た後、天皇から授けられる「お褒め」であり「ご褒美」である。実際にこれらの人々がいちいち作業をするわけではないのは当たり前にしても、安倍をはじめこんな連中からからほめてもらって恥ずかしくはないのか。

各分野で活躍をしたと「国家」によって認められた人に「勲章」は授与される。22種類の勲章はどういった分野での活躍が認められたかなどにより種類と等級がことなるが、毎年8000名ほどが受勲している。

◆「自由自治」が建学理念の大学学長が「勲章」を受けるという意味

毎日のように他人様から叱咤されている私のような不逞な輩と正反対に「立派な」仕事や「立派」だと国家が認めた人に対しての究極の「ご褒美」が勲章だ。

そんな私が語っても説得力はないけれども、私は「受勲は恥だ」と考える。国家権力への絶対的服従を意味するからだ。

もらわれる方が満足されているのであればそれは結構、余計な口出しはしないけばいいのかもしれないが、せめてボケが回ってから「冥土の土産」程度にしておかないか。若い頃に素敵な芸術作品を創作したり、映画を撮ったりした人が受勲する度にがっかりさせられる。「ああこの人もこの程度だったのか」と。安倍やこの国の権力者連中から褒めてもらうのがそんなに嬉しいのか。

というのには訳がある。

京都精華大学という私立大学がある。全国的にはさほど有名ではないが、特色のある個性的な大学として業界では異彩を放つ大学として知られている。かつて朝日新聞社が発行していた『朝日ジャーナル』の「100万人の大学」というシリーズで第1回目に東京大学が紹介され、それに続く第2回目に登場したのが他ならぬ京都精華大学(短期大学)だった。既存の大学の概念を根底から見直して学園紛争で問われた大学の問題を解決しようという試みは、これぞ大学の本分と感激しながら読んだ記憶がある。この大学にはリベラルな教員も多数在籍し、先進的な取り組みは総じて「東大と逆」の指向性を感じさせるものであり私は好感を抱いていた。

ところが同大学で現在学長の漫画家でもある竹宮恵子氏が昨年11月、紫綬褒章を受け取った。

現役私立大学の学長が「勲章」を受ける。これは「国家権力に大学は刃向かいません」と宣言しているに等しい。同大学の建学の理念は「自由自治」とHPで紹介されている。大学にとっての「自由」はまず何よりも国家権力からの「自由」でなければならないのではないか。「時代錯誤だよ」だとか「そう構えるなよ」とか今日もまた叱られそうだけれども、この大学学長「受勲」は「事件」だと思う。日大や国士舘大で同様なことが起こっても「事件」とは感じないけれども日本の中でも相当精鋭に「リベラル」だったはずの大学でこういう事態が起こる時代なのだ。

「事件」は凄惨な形でもなければ惨たらしくもなく、表面的には慶賀の形を装い進行する。私のような「不遜者」を除いて「受勲」はなかなか批判しにくいはずだ。それだけに余計たちが悪いのだ。国家が表に見える形で大学教育へも猫なで声で侵食を進めてきたということだ。「大学学長とは関係なく漫画家として評価されたんだからいいじゃない」という声があるかもしれない。

たしかに若い頃の苦労のせいだろうか、おおよそ「国家的」な香りと無縁だった漫画家の受勲は少なくない。でも国家意思の侵食は止め処がない。何も戦争を例に取らなくともここ数年の安倍政権を見ていればご理解いただける読者も多いだろう。そして「侵食は止め処ない」証拠を残念ながらすでに竹宮氏は証明してくれてしまった。

◆受勲後に「中教審」入りする学長に精華大はなぜ異議を唱えないのか?

竹宮氏は受勲後、本年2月から「中教審」の委員にも就任している。「中教審」とは「中央教育審議会」の略称だが、文科省の「諮問機関」であり主として教育行政についての提言を行う。行政官庁や政府の「諮問機関」は例外なく「結論ありき」でその政策を正当化するための「一見さまざまな方のご意見を聞きました」と形だけ残すための道具でしかない。竹宮氏個人が特に極端な思想の持ち主だとは思われないけれども、受勲後に「中教審」入りするような学長が、こともあろうにかつては東大と対比された大学から出てくることが恐ろしいのだ。ちなみに現在中教審委員長は北山禎介三井住友銀行取締役会長である。教育行政に提言を行う諮問機関の委員長がメガバンクの会長であるあたりから胡散臭さはうかがい知れるだろう。また委員には櫻井よしこも名を連ねる。いわずと知れた右翼の論客、櫻井あたりに文科省の本音を代弁させたいのだ。

気概のある教育関係者の間で「中教審」といえば「鬱陶しい物」の代名詞である。ろくな提言を行ったためしがない。大学人の間では常識だ。竹宮氏叙勲は個人の話としても、学長として「中教審」入りすることをかつて「リベラル」で名が知れたこの大学の教員や幹部は結局誰も止めなかったという結論に今日的危機の深刻さを改めて痛感させられる。

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ

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日本を問え![話題の新刊]内田樹×鈴木邦男『慨世(がいせい)の遠吠え─強い国になりたい症候群』


過去を隠して人気キャスターと「契約結婚」し、幸福を求める自分と、旦那の成功を天秤にかけて苦悩する女を描いたドラマ「○○妻」(日本テレビ)の撮影は昨年内に終了。早めに終わらせたドラマの場合、番組のプロモーション活動に力を入れることが多いのだが、主演の柴咲コウはそんな番宣にイヤな顔をしていたという話が聞かれる。

「ある番組出演でドラマをPRするコーナーを設けてもらったんですが、おおよそ8分の尺を用意してもらったところ、柴咲が“長い!”と急きょその半分ほどに変更させたという話です」と番組関係者。

「もっともドラマ本編の撮影でも、柴咲さんの不機嫌はあったようで、共演者の遅刻で待たされた際、罪のないスタッフを怒鳴り散らしたと聞きます」(同)

◆噂に翻弄される柴咲コウの憂鬱

その原因は定かではないが、関係者間では諸説が乱れ飛ぶ。

「過去の過ちを引きずりつつも明るい未来を目指していく難しい役作りにピリピリしていた」「脚本の遊川和彦が撮影現場に来て、演技について口出し、それをスタッフが鵜呑みにしたことでギクシャクした」「来年のNHK大河ドラマの出演オファーを本人の意向と違ったところで断ったことが理由」「単に花粉症だったらしい」などなど。

柴咲といえば、元サッカー日本代表の中田英寿との仲が噂されるが、当然ながら、この話は関係者間でもタブーとなっていたという。「そんな話を持ち出したら不機嫌どころか仕事をひっくり返す騒ぎになりそうだった」と同関係者。
それでも柴咲は昨年8月に三池崇史監督の映画『喰女─クイメ─』、12月に小栗旬主演で人気を集めたドラマの映画版『信長協奏曲』と、立て続けに出演し女優としては脂がのった状況で、少々のご乱心も許されているという。

「本人はギャラで仕事を選ばず、中身で選ぶところ、所属事務所はやはりギャラ優先にしますよ。そこは食い違いが出て柴咲の不機嫌につながっているという話ですが、撮影の打ち上げひとつでも『打ち上げに行く、行かない』で揉めたり、彼女の機嫌を取るのもスタッフの仕事になりつつあります」(同)

一部で柴咲はヘビースモーカーだといわれるが、番組関係者によると「たばこを吸ったところは見ていないし、喫煙室を用意しろとも言われていない」という。演技の世界では演技中にタバコの口臭が出てしまうのはマナー違反といわれることから、柴咲がそれを守ってイライラしているのかもしれないが、日本テレビ広報は柴咲の不機嫌自体を「掌握していません」と否定している。

◆昔よりも裏の圧力が弱まっている

一方、そんな柴咲が「芸能界の悪しき風習をぶち壊さないといけない」と言い出している小栗旬に同調して、俳優の組合作りを支持するというウワサもある。

小栗は昨年、現在の芸能界に不満を持って俳優の労働組合を作りたいと雑誌の対談でほのめかしている。「みんなけっこう、いざとなると乗ってくれないんですよ。やっぱり組織ってとてつもなくでかいから“自分は誰かに殺されるかもしれない”くらいの覚悟で戦わないと、日本の芸能界を変えるのは相当難しいっすね」と言いながらも「本格的にやるべきだなと思っています」と業界ではタブーとなっている権利独占ビジネスへの戦いの旗振り役となることを宣言した。

そこに「信長協奏曲」で共演した柴咲も同調し、大手芸能プロのキャスティング寡占に反旗を翻すのではないかというわけだ。

ただ、この話には伏線がある。それ以前に業界を牛耳るバーニングの大物タレント、小泉今日子も『芸能界の裏の帝王』こと周防郁雄社長に背を向けるように業界批判をしており、一部の人気タレント連合ができつつあることで名乗りを上げやすくなっていると見られる。小栗発言は業界内でも物議を醸し、決まりかけていた映画出演が白紙になったというウワサもあるのだが、それでも何の影響もなくテレビ新CMに起用されたりもしている。昔よりも裏の圧力が弱まっていることを示したともいえる。

「小栗は共演者がバーターで起用された演技力のないアイドルだったりすることにいら立っての発言で、今後は自腹で稽古場を作って政治力に左右されない俳優養成所を持ちたいようです。これは柴咲も同じで、自分にはるか及ばないアイドル女優と肩を並べることに腹を立てたという話」(芸能ジャーナリスト)

◆小泉今日子が独立すれば業界秩序は一変する

言われてみれば、福山雅治主演の大人気のドラマ「ガリレオ」は最新シリーズではヒロインの柴咲コウが降板して、福山と同じ事務所の吉高由里子に変更したことがあった。このあたり柴咲の不愉快な思惑があったとしてもおかしくはない。とはいえ、自分自身の力では芸能村の掟に逆らえるわけもなく、現場での不機嫌でうっぷんを晴らすしかなかったのかもしれない。ただ、小泉今日子がバーニングから独立するような動きが本当にあれば業界は一変する可能性もある。

小泉は、もともとアイドル時代に事務所に無断で髪をショートにし、恋愛を繰り返す「やんちゃ姫」で、そのうちに「社長になるのが夢だった」と公言、バーニングの次期社長に抜擢されるという仰天情報が乱れ飛んだこともある。そんな中、雑誌『AERA』で「私みたいに事務所に入っている人間が言うのもなんだけど、日本の芸能界ってキャスティングとかが“政治的”だから広がらないものがありますよね。でも、この芸能界の悪しき因習もそろそろ崩壊するだろうという予感がします」と発言。古いタイプの芸能コメンテーターはバーニングに気をつかって、ここぞとばかりに小泉の発言を批判的に取り上げていたが、逆に「よくぞ言った」という声も少なくなかった。

長い間、芸能界の闇を追ってきた芸能ジャーナリストの藤堂香貴氏は言う。

「通常なら干されてもおかしくない発言ですが、一説にはキョンキョンが芸能界のドン、バーニングの周防郁雄社長の顔を立てるために一肌脱いだことが何度もあり、それで彼女は何をしてもお咎めなしだといわれています。小泉は30年以上もバーニングを支えてきた功労者である一方、周防社長の裏の裏まで知り尽くしているとも言われていますし、タレント以上の力があるのは事実」

小泉の後押しで小栗、柴咲といった俳優が悲願の労働組合結束につながるのか、それとも過去の例に倣って潰されるのか、裏の動きに注目だ。

(ハイセーヤスダ)

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芸能界を震撼させた一冊!『芸能人はなぜ干されるのか? 芸能界独占禁止法違反』

 

少なくない数の人の恨みを買っているからだろうか、私には毎日200から300程の新規迷惑メールが届く。そのほとんどは出会い系サイトだったり、物を売り付けようとする、まあよくある種類のジャンクメールだ。メールをチェックする度に受信ボックス内に迷惑メール指定したアドレスから、また同じようなメールが数十は入ってくる。まずは改めてそれらを迷惑メールに放り込むところから仕事を始めなければならない「3千万円もらってください!」だの「こんな私ですが、今日会ってもらえますか?」といった、はいはいわかりましたもう結構ですよとげんなりする内容ばかりだ。

引っかかる人がいるからこんな見え透いた偽の誘いメールを作文する稼業もあるのだろうが、マシンガンのように続々と撃ち込まれると煩わしいことこの上ない。でもそれらはまだ犯罪性はないから「日頃、人に嫌われる文章を書いている代償」として我慢しなけりゃいけないのかもしれない。

◆怪しすぎる迷惑メールが届いたので連絡先に電話をかけてみた

が、先日ちょっと引っかかる内容のメールが来ていた。そこには私個人のことについてかなり詳しく書かれていて「有料サイトを利用した料金が未払いであるのでこのままなら法的措置を取らざるを得ない」から電話連絡をよこせとある。世に言う架空詐欺であることは一目瞭然だ。同様のメールは過去何回か受け取ったことがある。がここまでの特定をしての「脅迫メール」は初めてだ。ちなみに私の携帯電話はネットに接続出来ない設定にしている。だから架空請求はいとも簡単に論破できる。犯罪防止の観点からも無視はできない(本当は送って来た相手に「焼き」を入れたかった)から、連絡先と記された電話番号をダイアルした。

念のため申し上げておくが、仮に読者の皆さんがこのようなメールを受け取ってもその殆どは単なる脅しだから、一番賢明な対応は無視することだ。相手は言葉巧みなプロの詐欺師だ。間違っても私のように連絡をしてはいけない。くれぐれもご注意を。

怪しいメールが来てそこに連絡先電話番号が書かれていたらまず検索エンジンにその電話番号を打ち込んでみよう。この手の業者は短期決戦で仕事をしていて数日で電話番号を変える。俗に「飛ばし」と呼ばれる転送を利用している奴らもいる。が数日悪事を働いている詐欺業者ならその電話番号についての情報が出てくるだろう。

ここで注意しなければいけないのが、悪徳業者が自ら「問題解決のお手伝いをします」と宣伝する自作自演の二重の罠を多数用意していることだ。

信用ができるのは「電話番号検索」というサイトでここに電話番号が上がっていて多数のアクセスや書き込みのあるものは確実に詐欺だから無視しておくのが一番だ。

◆勘違いをしているのにやけに自信満々な初心者業者との会話を録音した

私が電話をかけた先はどうやらまだ開業したての業者だった。検索しても当該電話番号は出てこない。悪い奴は被害が広がる前に芽を摘まねば(繰り返すが読者の皆さんはくれぐれも私の真似をしないで頂きたい)。

出てきた男は「19万円の利用料金が未納になっている」と言う。また大きく出たものである。私は犯罪者にはそれ相応の言葉と表現(世間ではヤクザと呼ばれるような語り口のことだ)を使うからおいそれと餌食になることはない。けれどもこの男はどこでどう勘違いしたのか知らないが、私を専修大学のある教員と決めつけ履歴もはっきりしているなど自信に満ちた態度を崩さない。会話の間に検索してみると、確かにその氏名の先生は存在している。

何故に私をその先生と勘違い(?)したのかわからないけれども、男は自信満々で「大学教授のクセにこんなサイトを見てるんですねー。」などと調子に乗っている。私は気楽なもんだ。勘違いされた先生は気の毒だが詐欺師は全く見当違いの相手だと気がつかない。「いいですよ。受付に電話して先生のしてる事を話しますから」「いいです、いいです。はいはい直ぐに訴訟の書類送りますから。裁判です。はい。払う気なけりゃこっちも仕事なんでね」

「あのなあ、裁判でもチャカでもかまへんけど、お前のケツ何処が持っとんねん?」これは上品に言い換えると「裁判でも拳銃撃ち込まれても結構ですが、お宅様の後ろ盾はどちらの組(ヤクザ)ですか」と言う意味だ。普通、大学の先生が使うことはない「お下品」な話し方だ。

さらに「ワシの携帯のう、ネット繋がらへんねん。せやからお前の言うてることは完全ないいがかりやないか!このドアホ!」とお伝えしておいた。さらに念押ししておいたがこれ以上書くと、私の品性が疑われるから後の会話は伏せておく。

◆「啓発」が必要なのは市民ではなく通報してもまともに対応しない警察の姿勢

詐欺師はあれこれゴタクを並べても結局何もできはしない。問題はその後だ。

メールの証拠もあり明らかな詐欺だから、私は会話の全てを録音していて警察に通報した。ところが警察はそっけない。

「詐欺かどうかは分かりませんから」「ああそうですか、今担当者がいないから明日又連絡してください」とまるでやる気が無い。日頃散々「新手の詐欺にご注意を!」「怪しいと思ったら窓口に連絡を!」と相談窓口の連絡先をポスターやネットで啓発しているくせに、通報してもこちらが伝えようとする内容すら聞こうとしない。

こんな警察の姿勢なら詐欺は繁盛する一方だろう。なんでせっかくの情報提供を聞こうともしないのだろうか。これでは警察の存在意義ないじゃないか。呆れたことに対応した警察官は「民事は警察管轄外ですから」とまで言い放った。声が若かったから新米のお巡りさんだろうか。詐欺が民事? 大丈夫かお巡りさん!

この手の詐欺はどうやら「自衛」するしかなさそうだ。

▼田所敏夫(たどころ としお)

兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ

◎なぜテレビはどこまでも追いかけてくるのか?

◎《大学異論29》小学校統廃合と「限界集落化」する大都市ニュータウン

◎《大学異論26》「東大は軍事研究を推進する」と宣言した濱田純一総長声明文

より深層へ!横議横行の『NO NUKES Voice』第3号!

 

より深層へ!横議横行の『NO NUKES Voice』第3号!

 

文科省は2月19日講義内容や運営方法などに不備があるとして、改善を求める大学253校を発表した。新設された大学や学部を昨年度から調査対象としており、502校の約半数に問題が指摘されている。大半は学生の定員割れや教学体制への言及だが、以下のような事例もある。

千葉科学大(千葉県銚子市)は、一部の講義で“レベルの低さ”が問題視された。「英語1の講義で同大学のシラバス(講義計画)によると、冒頭から「be動詞」、「過去形」、「進行形」と、中学校で学習しているべき内容が並ぶ。「基礎数学」の講義では、割合(百分率)や小数、四捨五入とは何か、から講義が始まっている。

つくば国際大(茨城県土浦市)では「化学」の講義が元素や周期表の解説から始まり、「生物学」では光合成やメンデルの遺伝法則から取り上げている。

このような講義内容対して文科省は「大学教育水準とは見受けられない」と指摘して改善を求めているそうである。

たしかに「be動詞」、「過去形」、「進行形」は中学校で習得しておくべきレベルであるし、「光合成」や「メンデルの法則」も大学入学以前に習得をしておくべき内容であることは間違いない。しかし、現実に中学生レベルの知識を持ってない学生を受け入れた以上、大学はいきなり英語の講義でヘミングウエィーや英字新聞の読解を学生に提示したところで、誰一人全く理解できないしついてくることは出来ない。

◆「学力低下」は20年ほど前から顕在化していた

大学における「学力低下」は偏差値下位校で、20年ほど前から顕在化しだしていた。千葉科学大学やつくば国際大学は「正直」に学生の能力レベルと講義実態を文科省に「見つけられ」たので名前が挙がってしまっているだけの事であり、同じような内容を教えている大学は100近くはあるだろう。

これはどう考えても大学レベルではない、いや高校レベルにすら達していないという学生まで受け入れないと偏差値下位大学は学生確保がおぼつかない。そこで一部の大学では「導入教育」という名前で単位を付与せず、いわば補習的に学生の学力向上に取り組みが始まった。「導入教育」はその方法と担当教員の熱意などにより成功例と失敗例双方多数の実績がある。大学だって本当はそんなことはしたくはない。大学らしい内容の講義やゼミをしたいけれども、そのレベルまでに学生を引き上げないことに話が始まらないのだ。

ともあれ、まず読者の皆さんに知っておいていただきたいのは「名前さえ書ければ入学できる」大学は、比喩ではなく現実に多数存在しているという事実である。

◆「若年層は保守票に取り込める」と踏んだ政権与党

そこへもってきて、選挙権の18歳への引き下げだ。

もとはと言えば選挙権ではなく改憲の際の国民投票に限定して18歳まで投票資格を引き下げてはどうか、という議論が出発点であったのだが、ここへきて選挙権の引き下げが模索されようとしている。

政権与党は「若年層の非政治化が完成し、若年層は保守票に取り込める」と確信を持ったのだろう。その判断が前述のような一部大学生の学力低下と無関係ではもちろんない。

更に、偏差値が非常に高い大学生の知識、学習能力は依然変化はないけれども、「政治」「社会問題」への関心は70年代後半から一貫して右肩下がりである。極端に表現すれば60年代、70年代の大学生と今日の大学生ではその問題意識と行動において大人と子供ほどの差がある。70年代の政権はまかり間違っても選挙権の18歳引き下げなど考えもしなかったに違いない。

選挙権の引き下げについて、私は明確に反対する。そんなことを行えば反動政権の軍事化政策を利するだけだ。

選挙権の引き下げを議論するのならば、「成人」年齢の概念や運用については再考する方が先ではないか。例えば法律的な「結婚」は成人を待たずに男性18歳、女性16歳で許される。男女で差があるのはおかしくはないか。今日の進学率で言えば9割以上の16歳は高校生である。飲酒喫煙は20歳からしか許されない。ギャンブルを例に挙げれば、パチンコは18歳以上(高校生でなければ)は入店OKだ。あまり知られていないが、20歳を超えても競馬の馬券を買うのは法律上大学生には2005年まで許されていなかった。競艇、競輪、ボートレース等は今でも「学生」である限り何歳でも「賭ける」ことが禁止されている。

◆「学生の幼稚化」は大人社会の反映に過ぎない

「成人」とは一体なんだろうか。

かつて大学に入れば「新歓(新入生歓迎)コンパ」などで飲酒は当たり前の文化だったが、飲酒についての監視の目が大学内では異常なほどに厳しくなっている。20歳になるまでに飲酒をするのはもはや「犯罪者」扱いに近い。

大学では20歳以下の学生の飲酒が見つかると、クラブ活動が停止になったり、厳重に処罰される。大学職員がどこでそれを発見するのかと言えば、SNS上である。ツイッターやフェースブック、などに宴会と思われる書き込みや写真がアップされていないかを常時探している職員がいる。

常軌を逸した大学の異常行動と言わざるを得ないが、SNS上の写真から飲酒が発覚しクラブやサークル活動の停止を受けた学生は実際に存在する。写真を載せる学生も「アホ」だが、それを見つけてとがめる大学職員の行為は「大人」として余程情けない。学生に伝え教えることは他にないのか。

大学生に限らず、現場の先生方に聞くと、高校生、中学生の幼児化は明らかに顕著だ。学習能力の低下もさることながら、社会性や自己表現力の鈍化が著しいと現場の声を異口同音に耳にする。

生徒、学生のありようはその子供たちを育てた社会や家庭、大人の反映だ。選挙権を18歳に下げると言う一見耳触りの良さそうな「罠」の前で、「大人」達はまず自分がどれくらい成熟しているかを振り返ってみよう。立派な「大人」はワイドショーや週刊誌の垂れ流すゴシップではなく、本質を見抜く視点と判断力を持っているはずだ。あなたは大丈夫だろうか。私も大丈夫だろうか。

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ

◎2015年日本の現実──日本に戦争がやってくる
◎橋下の手下=中原徹大阪府教育長のパワハラ騒動から関西ファシズムを撃て!
◎イオン蔓延で「資本の寡占」──それで暮らしは豊かで便利になったのか?
◎粗悪な食文化の伝道企業=マクドナルドの衰退は「自然の理」

炸裂!『紙の爆弾』!

ゲームというと、深夜、薄暗い部屋でパソコンやテレビ画面に向かってコントローラーを操作する印象がある。引きこもり、ニートなどと言う言葉を思い浮かべる方もいるだろう。

だが、そんな常識をくつがえすゲームが登場し、若者から中年にかけて、幅広く人気を獲得している。2013年にGoogle社が発表したスマートホン用ゲームIngress(イングレス)だ。

◆リアルな世界をスマホで遊ぶ

イングレスは基本的にはリアル陣取りゲームである。プレイヤーはゲーム内でエージェントと呼ばれ青(レジスタンス)と、緑(エンライテンド)のどちらかのグループに分かれて(登録時に選択できる)陣地を取りあうのである。

陣地はゲーム機上に設定されているわけではない。実在のリアルな世界だ。

ポータルそのものは駅前にあるモニュメントであるとか、神社仏閣であったりする。陣地を取るための基本動作はランドマーク(ポータル)まで出かけていって、そこを確保(ハック)する。三つのポータルを確保してリンクを張るとその内側が青なり緑のフィールドになる。ポータルの場所はプレイヤーのもつスマホ上に表示されている。ユーザーはその場所に行って具体的には画面をタップするだけだ。たとえば、ハチ公とモヤイと109をリンクすれば渋谷駅前はあなたのフィールドになる。

我々が街を歩く時、風景は道や、樹木、建物の並ぶリアルな世界である。しかし、イングレスプレイヤーにとっては、建物にはリンクすべきポータルがそびえ、道は青と緑が交錯する支配すべきダンジョンになる。

プレイヤーが個人で新しくポータルを作って欲しいと申請もできる。スマホで写真を撮って運営に送るだけだ。当初、設置されたポータルは全世界で5000しかなかったが、現在では数十万の数に昇り、まだ増え続けている。また、プレイヤー数の増大にともない、グーグル社の負担も増え現在ではポータル申請に三ヶ月かかる情況だという。

ポータル側の事情もある。つまり、自分の店舗や、観光名所がポータルになれば人が呼べるのだ。グーグル社が日本で目を付けたのがコンビニエンスストアのローソンで、ローソンの店舗はすべてポータルである。ポータルを求めて街を歩くプレイヤーは自然、ローソンに立ち寄る。

◆ゲームで遊びながら健康になれる

観光誘致に利用したのが岩手県だ。昨年、岩手県がイングレスのイベントを開催した。参加者は50名ほどだったが、プレイヤーが岩手県内で多数のポータルを申請し、グーグル社側でも岩手県の申請を優先し、300のポータルが新設された。岩手にダンジョンが新設されたのだ。次は別のプレイヤーがポータルを求めて岩手にやってくる。岩手県庁では海岸部のポータルにやってくると、震災前の写真を受け取るようなサービスを開始して復興にも役立てようとしている。

岩手に限らない。画面上に名所が浮かび上がる。グーグルが提供しているから、当然地図つきだ。観光名所を探してガイドブック見る必要もない。スマホからポータルの情報、由来来歴を読み取ることもできる。しかも、この情況は海外に行っても同じだ。海外旅行に行って労せずして名所を見いだせる。プレイヤーにとっても、ポータル側にしても便利なゲームとなっている。

全世界対応であるため、国を超えてリンクが張られる。日本全土を押さえようと、八丈島、根室、長崎でリンクを結ぼうとしたが、グアムから攻撃があったという壮大な話もきく。海外旅行の楽しみも増える。

しかし、イングレスの基本的な動作はポータル巡りであり、プレイヤーはまずは自宅近くから初めて、次第に遠くまでポータルを求めて歩き回る。自動車でポータルを訪れることもできるが、一旦駐車してスマホを操作する必要があるので、歩いた方が有利だ。また、電車の中からハックもできない。スマホの操作が間に合わないからだ。ポータルが公園内や、建物の敷地にあることもある。

やはり、歩く必要がある。イングレスを始めた結果、それまでのバス通勤を徒歩に変え、通勤途上でハックする。いつもと違う道を歩いてみる、休日には遠方のポータルまで出かけてみる、など非常に活発に出歩くようになる。一日に五キロ十キロ歩くようになり、メダボが解消したとか、ダイエットに効果があったという話しすらある。ゲームで遊びながら健康になれるのなら、言うことはない。

しかも、完全無料である。グーグル社側では営利企業が申請する際に料金を徴収しているようだが、ユーザーには無関係だ。

イングレスのダウンロード数は全世界で1000万。しかもまだまだ増え続けている。

▼青山智樹(作家、軍事評論家)
1960年生まれ。作家、軍事評論家。著書「原潜伊六〇二浮上せり」「ストライクファイター」等多数。航空機自家用単発免許、銃砲刀剣類所持許可、保有。
HP=小説家:青山智樹の仕事部屋 http://www.din.or.jp/~aoyama/

◎輸入できても国産化はアメリカに阻止される日本の「無人戦闘機」導入計画
◎《未来小説》イスラム国日本潜入!「ISIL VS 自衛隊」もし戦わば…[前編]
◎《未来小説》イスラム国日本潜入!「ISIL VS 自衛隊」もし戦わば…[後編]

『紙の爆弾』!同時多発で炸裂発売中!

本コラムで先に取り上げた大阪教育長で「パワハラ」が認定された中原徹 が辞任した。知事の松井が「辞職の必要はない」と「パワハラ擁護」を展開していたが、4月の統一地方選挙を忖度したのか、あるいは「引導」が渡されたのか中原は辞任した。

そもそも中原は公立高校校長として「憲法」(21条:「集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する」)を踏み倒す学校行事での「君が代」唱の際に、教員が歌っているかどうか口元を調査するような人間だったので、「パワハラ」を起こすこと自体に驚きは全くなかった。むしろ人格的には「当たり前のことをしでかした」といっていいだろう。弁護士でありながら憲法を無視する行為を平然と行い、それを橋下(当時知事)に「素晴らしいマネージメント」と褒められていたが、橋下の気まぐれな賛辞ほど無責任なものはないことはようやく世間でも認識が広まってきた。

日本は憲法を最高規範とする法治国家であるらしい(私はあまり信用していないけれども)。一定の権力を手に入れた法律の専門家である弁護士が行政に関わる際は自身の思想信条を施策として提起することは許されるだろうけれども、最低限常識的法律解釈から外れてはいけないのではないか。

◆支離滅裂に中原を擁護し続ける橋下の「往生際の悪さ」

橋下は中原の辞任に対して「本当に残念で仕方がない」と語っている。だが、あろうことかパワハラ行為については「反省すべき」だとは言及しているものの、被害者である大阪府教委職員に対して「全く言うことを聞かなかったと聞いている。とんでもない」と述べるにとどまらず、中原のハラスメントを審議した第三者委員会の報告書について、「でたらめだ。中原氏の発言が一切採用されていない、名誉にかかわるので思う存分言った方がいい。2年間で改革の道筋をつけてくれた」と全面的に中原擁護の姿勢を崩していない。二重の嫌がらせもいいところだ。橋下の無茶苦茶な言動を追っかけていると本当にきりがない。この男にあれこれ言葉を投げかけること自体が無駄だと思う。「バカは死ななきゃならない」という子供の言葉を思い出した。

だけれども、これが橋下の本性だ。

いいんですか、大阪市の皆さん? くどいと叱られるかもしれないが、こんな人間が中心となってぶち上げている「大阪都構想」の本質は前大阪市長平松邦夫氏が『紙の爆弾』3月号 に明らかにされている。

間近に控えた統一地方選挙で関西にはいくつもの改選議会がある。「維新」勢力に対しては徹底した異議申し立ての投票行動が期待される。

「往生際が悪い」という言葉を理解する格好の例が橋下の支離滅裂な中原擁護だが、それ以外にも橋下のお先棒を担いだ人間を忘れてはならない。

一応スタンスとしては「脱原発」を売り物にしていた飯田哲也を囲ってみたり、経産省出身の古賀茂明を子飼いにしようと試みたり。橋下は確かにテレビ受けする(しかも一見「良心派」と思われる)人物の登用にも抜け目はなかった。

◆橋下徹も中原徹も憲法を軽視する本末転倒な「弁護士」

一方、中央大学の野村修也、中原徹、そして本人橋下徹(大阪弁護士会で懲戒の経歴有)。いずれも弁護士だが些末な法律や条例を盾にとり人権を踏みにじっている。あらゆる法律の前提となる最高規範「憲法」をあまりにも軽視し過ぎる本末転倒弁護士連中だ。

国会議員に西村眞悟という男がいる。この男は行き掛かり上あちこちの党を渡り歩き現在は「次世代の党」の所属しているが、以前は民主党所属だった時期もある。西村は弁護士資格を持っていた。が民主党所属だった時期に「現行憲法でも日本は北朝鮮に宣戦布告をして叩きのめすことが出来る」と怒鳴りまくっていた。資金繰りに困ったためか「弁護士の名義貸し」を行い弁護士法違反で逮捕起訴され有罪が決定し弁護士資格は剥奪されている。

西村は堺の出身だ。現在堺市長は「反維新」だが大阪には理解しがたい感覚の「弁護士」や元弁護士が集まって来る。我々一般人は「弁護士」と言えば法律に詳しい特別職と思いがちだが、どうやらその枠から外れる人間も多数生息しているようだ。

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ

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統一地方選を前にエラー連発!空中分解寸前の自民党大阪府連!『紙の爆弾』4月号

 

さんざん報道されているので、ここでは殺害された川崎の中1、上村遼太さん(13)について「事件の概要」については省く。私が注目したいのは、この事件は、中心者や仲間、そして「仲間に引き入れる手法」、やたら弁護士をあてにする主犯、とにかく登場するキャラや筋書きが、関東連合を彷彿とさせることばかりだという点だ。

◆10代「半グレ」カラスの仕事が山のようにある多摩川沿い

つまり、これは「半グレ」が起こす典型的な事件だということ。事件が起きた川崎大師線沿いの半グレは、とにかく凶暴のようだ。

取材にあたった事件記者の藤堂香貴が言う。

「事件の起きた現場はかなり治安の悪い場所で、暴走族や不良がらみの事件が珍しくありません。最近では関東連合など暴力団と一線を画す連中が、準暴力団として動いていますが、逆にいえば組織の拡大で、目的は金稼ぎにシフト、小中学生をいじめるような意味のない悪さをするチンピラは減る傾向にありますが、ここらでは地元の暴力団関係者と顔見知りになって、我が物顔で繁華街に繰り出す、昔ながらの不良も見かけます。川沿いの工場で働く低所得者の家庭で育った不良少年が多く、そういった連中が歩いていても違和感のない日常があり、大人も関心を示していないです。避けています」とのこと。

オレオレ詐欺の出し子、クレジットカードのスキミング詐欺、違法オンラインカジノの運営、闇金の取立てなどなど、10代の半グレの仕事は山のようにある。

「とくに川崎あたりの不良が伝統的に評価されるのは『短期間で金を稼ぎ、人に奢る』奴がビッグになるってこと。ケンカが強いのは、そうだな、二の次だな」(川崎の元愚連隊)

この中1殺害事件と平行して、多摩川沿いでは、少年によるレイプ事件が続発しており、防犯パトロールを有志が毎日のようにしていたとされる。

「ナイフを突き付けられて、レイプされそうになった未遂事件が昨年の末から5件くらい連続で起きました。まあ、表にはあまり出ていない情報ですけどね。なんでも黒いジャージの集団で、地元では『カラス』と呼ばれている不良軍団のようです。高校生が中心のようですね」(川崎市住民)

◆「町田派」VS「川崎派」の抗争──いじめが文化のように育っていった

川崎の半グレ、不良たちは、実は、町田の不良たちとケンカばかりしている。川崎の連中は「町田をとってやる」と息巻き、町田の連中は「あいつら、多摩川に沈めてやる」と息巻く。川崎も町田も、昔から不良の巣窟としてつとに有名だ。

今回の殺人において、あまり報道されていないが、町田と川崎の意地の張り合いが影響していないとも限らない。リーダー格で主犯の男を、川村君に紹介した男が「町田派」と言われているからだ。

「そもそも、町田の治安が悪くなって、町田の不良たちが居場所を求めて川崎に進出して抗争を繰り返したことが、『これはなんとかして返り討ちしないと』とかえって川崎の不良たちの数を多くした感があります。そうした抗争の中で、『いじめが文化のように育っていった』と見るのが正しい分析の仕方だと思いますよ」(暴力団員)

もっとも、川崎や町田が荒れてくれたほうがヤクザにとってはラッキーだ。警察の目がそちらに行くし、イキのいい若者は、手下にして集団を仕切らせて風俗でも詐欺集団でもなんでもいいから金を作らせれば儲かるのだ。

そして、今回、関東連合を彷彿とさせるのが、やたら犯人が弁護士を頼る点だ。これもヤクザの入れ知恵か。捜査段階なのに、主犯の男には父親が手配し、早々に弁護士がついて、マスコミ対応していた。こうしたことを誘導するのは、その筋しかいない。そう、背後にヤクザがいると見たほうが妥当だろう。

「今回の件は、弁護士から接触した面もあります。また、そうした不良のしがらみの中で独特の活動をする弁護士もいるのは確かで、不良のトラブルがあると不良少年側として、お約束で得意げに出てくるおなじみの弁護士もいます。そういう弁護士は着手金は高いのですが、平気でウソの口裏合わせをしてくれる不良少年を証人として担ぎ出すこともあると聞きます」(前出・藤堂香貴)

◆まったく機能していなかった「学警連」

新聞などによれば、事件で、地域の公立校、市教育委員会、神奈川県警が集まる会合の中で1月と2月に、上村さんが通う中学校が「最近、登校できなくなった子がいる」と上村さんについて報告していたようだ。市教委などによると、上村さんが暴力を受けているとの情報を把握していなかったため、不登校の報告にとどまり、特別な対応は取らなかった。(2015年2月26日朝日新聞

上村さんは冬休み明けの1月8日から学校を欠席していた。市教委によると、市内では8地域に、公立小中高の指導担当教諭や、市教委の指導主事、警察署の少年事件担当者らでつくる「学校警察連絡協議会(学警連)」があり、定期的に情報交換して非行防止などに取り組んでいたが、まったく機能していなかったということだ。(2015年3月11日神奈川新聞

◆朱に交われば赤くなる──悲しみは、川のせせらぎの中に

不登校は、実は1日が2日に、2日が1週間に、1週間が1ヶ月に、1ヶ月が1年と、あっという間に時間がすぎていく。そして「暇をつぶすために」悪い仲間がつぎからつぎへと誘いに来る者だ。筆者も実は高校を数えながら休んだ。進級できるぎりぎりの日数を登校していた。僕にとって幸運だったのは「そんな狡をしてはいけない」と怒ってくれる友人がいたことだ。もし怒られなければ、僕は高校をおそらく辞めていた。

「朱に交われば赤くなる」ではないが、やはり仲間を選ぶ、ということは中学生とて重要なことだ。そして、そうした「友を選ぶ」慧眼が身に付く前に不良たちと交わり、抗争の中心にいつしかいる。それは、関東連合や巷の暴走族やギャングのメンバーにも言えることだ。

今でも殺害現場には、花がつぎつぎと供えられている。上村さんの悲鳴は川のせせらぎの中に消えて、友達の悲しみも川が吸い込んでいくようだ。これを機に、少しでも川崎、とりわけ多摩地区の治安がよくなることを願う。

(ハイセーヤスダ)

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12歳「ヘリウム事故」──少女アイドルビジネスの凄惨現場を『紙の爆弾』最新号が暴露!

 

3月8日の「NO NUKES DAY 反原発★統一行動」を取材した。日比谷野音での集会で福島から来られた方が福島の現状を訴え、宇宙飛行士の秋山豊寛さんも原発の危険性について語る。全国から反原発を真剣に訴える2万人超が、「原発いらない」「命を守れ」のコールとともに国会を囲む請願デモを敢行した。

曇天の中、反原発のエネルギーは、「第二部」の首都圏反原発連合が主催する「国会前大集会」の登壇者にも乗り移ったのか、菅直人元首相、志位和夫(共産党委員長)、福島みずほ(参議院議員)、香山リカ(精神科医)などが登壇。それぞれに熱く反原発についてデモ参加者に訴えた。

「原発維持や推進をしようとする人たちは、私、精神科医からみると、心の病気に罹っている人たちに思えます」と香山は叫んだ。なるほど、その通りだと思う。

「NO NUKES DAY 反原発★統一行動」での菅直人元首相(2015年3月8日東京)

◆民衆の連帯が無視されるのはなぜか?

「原発」について、誰も「いいものだ、稼働してもよし」とする人は関係する業者と省庁しかいないはずだ。それでも、与党は原発を再稼働させようとしている。いったい、この民衆の連帯が無視されるのは、なぜだろうか。

理由のひとつとして「アメリカから押しつけられたプルトニウムを燃やさないといけない」という暗黙の協定は大きいと思う。

僕は、これだけ大きな事故を起こしながらも、原発に反対の声をあげる人は少しずつ減っていき、毎週、金曜日に行われている首相官邸前のデモが、ついに100人を切ってしまったのを肉眼で見た。集会では、「たんぽぽ舎」の柳田真共同代表が「原子力規制委員会は、じっさいは原子力推進委員会です」と叫んでいたが、まったくその通りで、田中委員長には、原発を止める気概などみじんも感じることはできない。むしろ「安倍首相の操り人形」だ。

◆原発ADRを拒否し続ける東電に対して相次ぐ「生業(なりわい)訴訟」

故郷に帰れず、先の暮らしを見通せない人々の苦悩は、時の経過とともに逆に深まっている福島の現状。

新たな土地で生活の基盤を築くにはきちんとした賠償が必要となる。しかし、東京電力はこの間、賠償に誠実だったとは言えない。国の指導も同じくだ。

町の大半が帰還困難区域に指定された浪江町では2013年春、町民1万5,000人が月10万円の精神的慰謝料の増額を求める集団申し立てを原発ADR(裁判外紛争解決手続き)で行い、一律5万円増の和解案が示された。だが和解案には強制力がなく、東電は受け入れを拒み続けている。

申立人には高齢者も多く、すでに大勢の人が亡くなっている。

原発ADRは被災者に裁判という重い負担を負わせず、早期に賠償問題を解決するために導入されたものだ。その趣旨に照らして出された和解案だ。東電はこれ以上解決を遅らせてはならないし、国はADRの仲介に強制力を持たせる仕組みを作るべきだとの声は多い。

ADRだけでは金銭賠償の解決が期待できないと、裁判所に訴える動きも相次ぐようになった。

「生業(なりわい)訴訟」と呼ばれる集団訴訟がそのひとつ。「故郷を返せ!生活を返せ!」と、北海道から福岡まで。17地裁・支部で精神的慰謝料の支払いが訴えられている。

昨年の夏、福島に行ってみた。

「いや、文化人も評論家も『原発はダメだ』と語るけれど、東京や大阪などの都市にいて論じられてもねえ。私たちにはまったく響かない。『脱原発』を飯の種にしているとしか思えないよ。本当に原発がダメだというなら、福島に住んで主張してみろって」と地元の自営業男性は言う。まさにその通りだと思う。

◆来年、電力が自由化になり、電力会社が選べるようになる

見逃せない事実として、「電力を自由化する」といいながら、東京電力が、他の電力会社の進出を阻んできた事実は大きいと思う。来年、電力が自由化になり、文字通り、電力会社が選べるようになる(※東京新聞2015年3月10日)。 つまり、個人がA社、B社などと電力会社を選べるというわけだ。ここにおいて期待できるのは、企業形態が利益をメンバーで折半する非営利目的の会社であるため、消費者は大電力会社と契約していた時よりはるかに安い値段で電気を購入することができるかもしれない、ということだ。

たとえば、イギリスの新規事業者の中には、Good Energyという、再生可能エネルギーを多く取り入れ、環境に優しいプランであることに力をいれている事業者もある。

Good Energyのプランは、化石燃料などを元にした安さが売りのプランと比べると電気料金は少し高め。だが、それでも大手電力事業者の料金と同等程度で、再生可能エネルギーを主に利用するプランを提供できる。消費者は、環境面を重視してプランを選べるのだが、こうした形の会社も登場するだろう。

いずれにせよ、原発は時代遅れで殺人兵器だ。僕たちは「原発は凶器である」という認識を忘れてはいけない。原発を輸出してもいけない。もしも原発を推進する者があるとすれば、魔物であり、サタンなのだ。

(伊東北斗)

◎「福島の叫び」を要とした百家争鳴を!『NO NUKES Voice』第3号!
◎福島原発事故忘れまじ──この国で続いている原子力「無法状態」下の日常
◎《屁世滑稽新聞19》皇居を核最終処分場にする話……の巻
◎東電はKDDI、規制委員会は日立が請け負う原発関連コールセンターの無責任

より深層へ!横議横行の『NO NUKES Voice』第3号!

 


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