1992年に福岡県飯塚市で小1の女児2人が殺害され、その犯人とされた久間三千年さん(享年70)が2008年に処刑されたが、冤罪の疑いが根強く指摘される飯塚事件。久間さんの遺族が福岡地裁に申し立てた再審請求は3月末、同地裁に棄却されたが、遺族や弁護団は再審無罪を諦めず、現在は福岡高裁に即時抗告中だ。そして今月5日、即時抗告審では第1回目となる裁判所、検察官、弁護団の三者協議が同高裁で開かれた。
協議後に会見した弁護団によると、今回の協議では、女児2人の遺体が遺棄された現場で見つかり、これまでDNA鑑定されていなかった試料5点(血痕ようのもの4点、唾液ようのもの1点)について、現存するか否かを検察官に確認するように求めたという。試料5点は被害女児と血液型が同じだったことなどから、DNA鑑定が行われていなかったが、現存するなら、真犯人のDNAが含まれないか否か、ごく微量の試料でも可能な現在のDNA鑑定で調べることを考えているという。
誰か通りすがりの人なのか、掲示してあるポスターの誤りを修正していた。
当欄で既報の通り、広島の放送局・中国放送の元アナウンサー・煙石博さん(67)が銀行で他の客の置き忘れた現金6万6600円を盗んだ容疑で逮捕、起訴され、一貫して無実を訴えながら昨年11月に広島地裁で三芳純平裁判官から懲役1年・執行猶予3年の有罪判決を宣告された事件は冤罪だ。広島高裁の控訴審は5月27日に始まり、逆転無罪の希望を抱かせるスタートとなったが、法廷外でも次第に良い流れができてきた。というのも、煙石さんの支援団体「煙石博さんの無罪を勝ちとる会」が控訴審での“公正な裁判”を求め、1カ月前から始めた署名活動で、すでに1500筆超の署名が集まったというのだ。
2008年11月に埼玉と東京であった元厚生事務次官宅連続襲撃事件で、2人を殺害、1人に重傷を負わせた小泉毅(52)の裁判がいよいよ終結する。小泉は、さいたま地裁の第一審で無罪を主張しながら2010年3月に死刑判決を受けた。現在は最高裁に上告中だが、今月13日にある判決公判では、控訴審で是認された死刑判決がこのまま追認される見通しだ。